海水浴や海遊びの人たちで賑わう海では、ひと目のつかない海岸でひっそりと暮らしている色の黒いサギ。夏が去り人の去った海岸で姿をときどき見かけるようになります。見た目どおり、クロサギという名前のサギ科の鳥です。シラサギの中で一番小型のコサギくらいの大きさをしています。岩礁のタイドプールで魚を捕まえて食べます。
たまたまアオサギと並んだ写真が撮れました。クロサギの大きさがイメージできるでしょう。私の普段の海鳥の観察地は豊岡市の東隣りの久美浜町の海岸です。今回の写真もそこで出会ったクロサギです。但馬海岸でも生息しており、珍しい鳥というほどのことではないですが、数は多くはありません。見つけるとついレンズを向けてしまうほどの、出会うと嬉しい鳥の一種です。
クロサギの飛翔姿です。足が黄色いところもコサギに似ていますが、コサギは足指だけが黄色いのに対し、クロサギは脚全体に黄色いです。
普段は海岸に棲むクロサギですが、円山川流域では豊岡盆地内まで遡上してくることも時々あります。円山川は非常に勾配のゆるい川で、盆地の平地の大部分が、かつては海だったところ。海鳥からみれば、海から続く深い入り江のように思えるのかもしれません。
沖縄県には、白い色をしたクロサギが棲んでいます。白いのにクロサギで混乱してしまいます。温暖化が進み、そんな白いクロサギがいつか但馬海岸にも現れるかもしれませんね。