通勤途中の六方田んぼで、3羽の小型のシギチが車の前を横切って飛びました。ちょうど通過中の旅鳥ムナグロのサイズ感だったので、てっきりそうだろうと双眼鏡を当てると、くちばしが下にしゃくれているではありませんか。
15年前、六方田んぼより南の田んぼでコシャクシギを初めて観察しました。その記憶を辿りながらコシャクシギかな?と最初に思いましたが、まさかね、チュウシャクシギの幼鳥かなと適当に記録写真を撮ってその場を離れました。
撮影した画像をチェックし、図鑑やネット情報と照らし合わせて、やっぱりこれはコシャクシギであることがわかりました。チュウシャクシギとの最も明白な違いは脚の色。チュウシャクシギが灰色なのに対し、コシャクシギは肉色をしています。
また、飛来環境も両者では違っています。チュウシャクシギは水辺環境に飛来するのに対し、コシャクシギは乾燥地や草地です。今回の飛来も、湛水前の田んぼでした。採餌はもっぱら畦の草の中を探って虫を採っていました。
飛び立ったときのコシャクシギの写真です。この写真から、チュウシャクシギとのいくつかの違いがよくわかります。脚の色以外に、チュウシャクシギは腰が白いのに対し、コシャクシギは白くありません。顔つきもコシャクシギの方が可愛らしく見えます。
コシャクシギの越冬地はニューギニアやオーストラリア。繁殖地のシベリア北東部向かう旅の途中に当地に立ち寄ってくれました。渡りのメインルートから日本は外れているため、飛来数は少ないです。豊岡盆地では、私自身15年ぶりの再会となったように、稀な旅鳥です。次の再会はいつになることでしょう。