豊岡盆地は渡り鳥の中継地として重要な役割を果たしています。渡り鳥の移動の時期には、時に希少な野鳥が見られることもあり、バードウォッチ―を喜ばせます。今回はそんな鳥とひとつ、アカアシチョウゲンボウを紹介します。
ハヤブサ科に属する小型のタカで、普通のチョウゲンボウに比べるとひと回り小さく、白黒のコントラストが強いです。名前の通り、脚が赤いのが特徴。この写真はアカアシチョウゲンボウ(写真左)がチョウゲンボウ(写真右)にちょっかいを出されている場面。
土着のカラスも、見慣れない鳥が入ってくると、すぐに反応して追い出しにかかります。
アカアシチョウゲンボウが豊岡盆地を通過するのは10月。数の多少はありますが、近年はほぼ毎年のように目撃されています。農地の低い電線に常駐し、地上の大型バッタ類を捕まえて餌にします。
捕まえたバッタは、小さいものだと飛びながら空中で食べてしまいます。大きなものは電線に戻ってから、ゆっくりと平らげます。一日中、電線と地上を行き来しながら、バッタを捕食しています。
アカアシチョウゲンボウが豊岡を通過した証拠写真として、コウノトリとの2ショット。電柱に止まっているコウノトリは、足環の色からJ0269メス1才と識別。電線に止まっているのはキセキレイです。
アカアシチョウゲンボウの越冬地は南アフリカの東海岸と言われています。ユーラシア大陸をまっすぐ南下するグループは南アフリカまで行ってもおかしくないですが、果たして、極東アジアを南下するグループは、どのようなルートを経由して南アフリカまでたどり着くのでしょう? それとも、東南アジアやオセアニアのどこかに、彼らの越冬地が存在するのかもしれません。
いずれにせよ、長い旅を続けるアカアシチョウゲンボウにとって、豊岡盆地がいつまでも彼らのオアシスであり続けて欲しいと願います。