シシガシラ シシガシラ科
シダ植物は、どれもこれもよく似ていて難しいものです。そんな中にも分かりやすいものがあります。それがこのシシガシラです。海岸沿いの低地から高い山まで至るところに生えていて一目で分かる特徴的な形をしています。
葉は放射状についていますが、斜面に生えていることが多いので、たいがい斜め下方向に垂れ下がっています。葉は大きなものは長さが40cmくらいあって、両側がくしの歯のように切れ込んでいます。こんな形の葉のシダは兵庫県にはシシガシラ、ミヤマシシガシラ、オサシダの3種類しかありません。シシガシラ以外は、生育する場所が限られているので、私たちが普段生活する中で出会うのはシシガシラだと思ってまず間違いありません。
ミヤマシシガシラ 日本海側の高標高地にわずかに生える。
日本では至るところに普通に生えているシシガシラですが、日本以外には生えていません。シシガシラは日本の固有植物なのです。
シシガシラの葉の基部。下のミヤマシシガシラと比べると羽片の形と葉柄の色の違いがよく分かる。
シシガシラの名前は、葉の生えている様子がシシ(ライオン)の頭(たてがみ)のように見えるというところから来ているそうですが、葉柄に密生する鱗片の様子がシシ(イノシシ)の頭のように見えるという説もあるそうです。なるほど、イノシシもシシですね。
ミヤマシシガシラ