額縁休耕田というのは、田んぼの中央で稲を作り、周りを休耕するタイプの休耕田です。稲作部分を休耕部分が縁取っているように見えるので額縁休耕と呼ばれます。正式には調整水田と呼ばれ、額縁状ではなく田んぼの片側が休耕されていることが多いようです。
この額縁部分に、希少植物が多産することが分かってきました。これらの植物は、これまで、稲と畦の間のわずかの空間を利用して細々と生き残っていましたが、額縁部分ではゆったりと暮らしています。
また、自己保全管理という似たような管理をする休耕田や水が漏れてしまって乾いた常時湛水田(要するに管理に失敗した田んぼ)の植物の生え方は、額縁休耕田に似ています。
これは、水が抜けてしまった常時湛水田です。
これは自己保全管理の休耕田です。
額縁休耕田は、休耕部分も稲作と同じように管理をされます。これが普通の休耕田と違うところです。普通の休耕田は、維持管理されませんので、年々生える植物が変わっていきますが、額縁休耕だと毎年同じ状態にリセットされます。
ミズワラビ 絶滅危惧種 ただし円山川下流域の普通の田んぼにも多数生育している。
アブノメ 絶滅危惧種
ミズマツバ 絶滅危惧種
ヒメミソハギ 絶滅危惧種
キカシグサ これは普通種
但馬の額縁休耕田は、兵庫県の他の地方に比べるとより多くの絶滅危惧植物を育んでいるようです。
田んぼの管理の仕方が変わって増えてきた植物たちがあるのです。