明るい青、美しいパステルカラー、ソライロのキノコ。カサの径2~3.5cm程のとんがり帽子。
青色のキノコは珍しく、紫や紺色はいろいろと見ることができるが、このような空色をしているのは本種だけと言って良いのではないだろうか。ヒメロクショウグサレキンなども近い色をしているが、こちらはとても小さいし子嚢菌類だから一般的なキノコとは言いにくい。やはり明るい青色のキノコは本種だけと言っても良いだろう。
色合いが珍しいだけでなく、発生自体も珍しい。出るところには毎年のように出ているようであるが、キノコファンでも見たことのない人が多いと思う。
ソライロタケは普通1本~数本しか発生せずしかも傷みが早いので観察できる期間は数日間と短く、毎年発生しているような場所であったとしても毎週のように通っていないと見落とす可能性が大きいと考えられる。よく言われることであるが、なかなか出会うことができないものであっても彼らは普通にひっそりと暮らしているのかもしれない。
私は中学生のころからキノコに興味を持ち、50年近くそれなりに興味を持ち続け、濃淡はあるものの野山で観察を続けてきたが、今年初めて見ることができた。しかも2箇所で見ることができた。一つ目は知人が自宅近くの里山に発生しているのを発見。2本発生していた。知人は数日前にもほぼ同じ場所で1本の発生を確認している。もう一カ所はこれまでもソライロタケの発生が私の知っている知人関係で過去十数年間に2回確認されている場所。二十本ほどが散生していた。これほどの発生はとても珍しいのではないだろうか。
発生場所の1箇所目は雑木林で2箇所目は雑木林に竹が侵入してほぼ竹林になったような場所。竹ばかりのところから針葉樹中心の場所まで幅が広い。
鮮やかな空色は傷つけると黄色に変色し、全体的にも2,3日で色褪せてくる。美しいソライロタケを見ることはほんの一時期である。
またソライロタケは本州部では希少種と言えるが、もともと南方系のようでタイプ産地である小笠原諸島では普通種とのこと。もしかすると近年の温暖化で本州部での発生も増えているのかもしれない。自分が見たからそう思うだけかもしれないが、昨年と今年はソライロタケの報告が多いようだ。
なお、とんがり帽子のきれいなキノコで同じイッポンシメジ属のシロイボガサタケ、アカイボガサタケ、キイボガサタケの3兄弟があるが、ソライロタケはそれに続く4種目ともいえる。
こちらにシロイボガサタケ、アカイボガサタケを簡単に紹介していました。今度まとめて4種類を書いてみたいと思います。
レアでかわいいキノコを見ることが出来たので地元のマスコミの方々にお伝えしたら、タイミングが良かったのか2局ほどがすぐに取材してくれ、夕方の地域ニュースなどで流してくれた。このリンクがいつまで残るのか分からないが上げておきます。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_12194.html
https://www.youtube.com/watch?v=kJlzEIBb9EQ
なお、当方は編集に関わっていないため、放送の中でのコメントに一部誇張された部分がありますことをご容赦ください。