7月に入り、但馬の山地の谷間や林道沿いに白いノリウツギが咲くと、いろいろな虫たちが花粉を求めて集まります。その中で代表的なハナカミキリがこのヨツスジハナカミキリです。名前の通り前翅に4本の黄色い縞模様が入ります。普通種ということであまり注目されませんが、ハナカミキリとしては十分魅力的だと思います。平地や里山ではほとんど見かけないので、最初に見つけたときは、それなりに感動します。
ヨツスジハナカミキリはほぼ日本全土に分布しています。幼虫は針葉樹に入ることが多く、成虫はノリウツギはじめ、リョウブ、ヤマアジサイなどの花にもよく集まります。黄色の縞模様はハチに似ていて、ハチへの擬態ともいわれています。
ヨツスジハナカミキリと同時によくみられるのがマルガタハナカミキリ。こちらは少し小さくて縞模様が無く丸い感じ。個体数はヨツスジハナカミキリより少なく、見つけたら少し嬉しくなります。
(写真・文 上田尚志)