神鍋高原スキー場のゲレンデを下りながら、大きく育ったワラビの群落の中に、赤茶色の比較的大型のゾウムシがいるのが目に入りました。
遠目には地味で、既知のゾウムシだろうと思い近づくと、赤茶色の体の上面に、まるで人のいたずらとも思えるような、真っ白な曲線がくっきり描かれています。
胸部の両サイドから伸びた白い線は、上翅につながって真ん中あたりで左右が結合するようなラウンド状。さらに胸部の中央にも1本、白い線が入っています。
帰宅後、手持ちの図鑑では調べきれずに、虫の専門家に同定をお願いしました。オオシロオビゾウムシでした。シダに付くゾウムシは珍しく、このオオシロオビゾウムシも稀にしか目撃されない種だとわかりました。
現地で標本用に採集することを躊躇して、結局そのままにしてきましたが、豊岡での本種の記録として標本採集しておきべきでした。次のチャンスが来るのかどうかわかりませんが、ぜひ標本に残して伝えたい種です。みなさんの中でこれと同じゾウムシを見つけられたら、ぜひ、市立コウノトリ文化館に持ってきてください。