今回紹介するのはカワヨシノボリです。今まで紹介してきたヨシノボリ類は、川と海を行き来する回遊性のものでした。このカワヨシノボリは河川陸封型といって、川で産卵し一生を川で過ごします。大きさは6センチほどです。雑食性で、水生昆虫や藻類などを食べます。
但馬では、円山川、竹野川、矢田川の3水系に棲んでいます。中流域~上流域にかけて棲んでおり、小川や田んぼ横の水路などでも見かけます。ヨシノボリ類の中では、もっとも目にする機会が多い種類です。
他のヨシノボリ類との違いは、胸びれの筋の本数(胸鰭条数)です。多くのヨシノボリ類はこの本数が19本以上ありますが、このカワヨシノボリは17本以下です。この個体は胸びれをしっかりと広げてくれたので、確認できました。
この2枚はメスです。ヨシノボリ類のほとんどの種は、オスの背ビレは長く伸びますが、メスはこのように短いです。
石の下から顔を出しています。ヨシノボリ類は石の下に隠れていることが多く、産卵も石の下で行います。
単独でいる事が多いのですが、場所によってはこのように高密度で集まっていることがあります。
岩にへばりついて急流に耐えています。ハゼ科の魚は腹びれが吸盤になっているものが多く、この吸盤を使って小さな滝などを登っていくものもいます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也