秋が深くなると、南の越冬地へと急ぐ旅鳥の通過も終わり、河川敷のヨシ原はここで越冬する冬鳥が目につくようになります。その代表的な一種がオオジュリンです。ホオジロ科の鳥で全長は16センチ程度。 日本では東北から北海道で繁殖し、冬は本州以南で過ごします。
地味な色目ながら、ホオジロ科らしいおちょぼ口が可愛いです。冬の間は雌雄ともベージュ系の羽根色ですが、オスは春になると頭部が黒くなります。
名前の由来は鳴き声から。「チュイーン」と聞こえる高い声で鳴きます。「ジュリーン」と聞きなした人が命名したのでしょう。同じ仲間に、コジュリン、シベリアジュリンがいますが、当地ではオオジュリン以外はほとんど見られません。
オオジュリンはヨシの茎に器用に止まって、中に潜んでいるカイガラムシなどの虫を探し出して餌にします。オオジュリンが潜んでいるヨシ原の中で耳を澄ますと、パチパチとはぜるような音が聞こえてきます。オオジュリンがヨシの茎をくちばしで割っている音です。
円山川下流のヨシ原では、たくさんのオオジュリンが冬を過ごしています。堤防道を散歩しながら、「チュイーン」という声に気づいていただければ、オオジュリンがそこにいる証拠です。