ツタ ブドウ科
ツタは、落葉する蔓性の木です。いたるところに自生していますが、甲子園球場のように植えられることもよくあります。
ブドウ科の他のつる植物は、先のとがった巻きひげを伸ばして木などに絡みつくようにして広がって行くのですが、ツタは巻きひげの先が吸盤のような形になっています。しかし、これは吸盤ではなく接着盤のような働きをしているようです。この接着盤からは粘着性の物質も出ており、さらにひげのような細い根も出て、絡むことなく建物の壁など垂直な面にも広がることができます。ツタという名前は、”つたって”這い上がっていく様からついたという説もあります。納得の名前です。
単葉、小さい。葉柄は短い。
単葉、大きい。葉柄は長い。
複葉。幼葉。林下に多い。
ツタの葉は秋には美しく紅葉します。
近づいてよく見ると複数の種類の葉があります。多くの葉は単葉です。この葉には葉柄の長いものと短いものがあります。葉柄の短いものは長枝についています。葉柄の長いものは短枝についており、花はこの葉の近くで咲きます。また、複葉になるものもあります。幼葉です。3枚に分かれるものが多いのですが、中には3枚になれずに2枚に見えるものもあります。幼葉は複葉ですが、成葉は単葉です。
冬に近づくと落葉しますが、葉柄を残して葉身が先に落ちます。葉柄もやがて落ちるので下には葉身と葉柄がバラバラになって落ちています。
葉身が落ちて果実がよく見えます。
さすがブドウ科です。おいしそうな果実です。しかし、人間には全くおいしくない果実です。鳥たちにはきっとおいしいのでしょう。ツタはいたるところに生えています。鳥たちが食べて種を運んでいるのだと思います。
キヅタ
ツタウルシ成葉
ツタウルシ幼葉
よく似た名前の植物に、キヅタ、ツタウルシがあります。
ツタはブドウ科ですが、キヅタはウコギ科、ツタウルシはウルシ科です。
キヅタは常緑なのでフユヅタという別名を持ちます。他方、ツタは落葉するのでナツヅタという別名を持ちます。
ツタウルシとツタは成葉は全く異なる形をしていますが、幼葉の時はよく似ています。ツタウルシは最もかぶれやすい木ですから気を付けましょう。


























