2023年2月6日(月曜日)、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で、2022「植村直己冒険賞」の記者発表を行いました。
今回は、2022年に日本人が挑んだ73件の冒険行の中から、前人未到の北海道分水嶺積雪期に単独縦断を果たした、 野村良太(のむらりょうた)さんに決定しました。
東京での会見の様子は、豊岡市立府中小学校にも中継され、地元報道関係者からの取材にも応じました。
本賞の授賞式は、2023年6月3日(土曜日)に日高文化体育館で行う予定です。冒険賞の授与の他、野村さんの記念講演も行います。皆さん、ぜひお越しください。
■野村良太さんプロフィール
1994年生まれ。普段は登山ガイドを営んでいる。大阪府出身。北海道大学在校中にワンダーフォーゲル部に所属し、登山を始める。同部では主将を務める。卒業後は2019年積雪期の知床半島全山単独縦走(12泊13日)、日高山脈全山単独縦走(16泊17日)をいずれもノンデポ・ノンサポートで達成。2020年には厳冬期表大雪十勝連峰縦走(11泊12日)を達成。令和元年度北大えるむ賞、日本山岳・スポーツクライミング協会山岳奨励賞を受賞。
■冒険概要
2022年2月から2022年4月までの軌跡(ヤマケイオンラインより引用)
■計画
大学卒業後に出会った『北の分水嶺を歩く』(工藤英一著・山と渓谷社)書から着想を得て、今回の冒険を計画する。2022年2月に宗谷岬を出発し2カ月かけて襟裳岬まで北海道を縦断する計画。あらかじめ4カ所にデポ(山小屋などに保管しておくこと)しておいた食料を回収しながら進む。1日当たり3500キロカロリーの食料をザックに詰め込み、道中ではビバーク(雪山で露営)しながら進む。
■概要
北海道分水嶺単独縦断は、北海道最北端の宗谷岬から南端の襟裳岬まで分水嶺を辿るルートで、宗谷丘陵、北見山地、石狩山地、日高山脈を北から南まで一つなぎに踏破する。最大45kgのザックを背負い、ホワイトアウトや風速40m/sの猛吹雪の中を進む。稜線と呼ばれる両端が崖に挟まれた路を進んでいくため、一歩間違えれば命はない。気象条件が厳しく、国内で残されていた最難関の縦走。この縦走コースを何回かに分けて到達した者はいたものの、一つなぎでの挑戦は、単独・パーティー問わず、未だかつて成し得た者はいなかった。