森林動物研究センターが兵庫県下のドングリ類(堅果類)の豊凶調査を実施したところ、今秋のドングリ類の実りは、全体としては「並上」であることが判明しました。(資料1参照)
今のところ、例年に比べ人里への出没や目撃情報は少ない状況ですが、ツキノワグマ生息域でのドングリ類の実りには地域・品種差があり、今後冬眠前のクマが餌を求めて人里へ出没する可能性が高い地域があると思われます。また、近年では、恒常的に出没が増加しており、分布域も拡大傾向にあることから、ハイキングや登山、キノコ採集などに出かける際はもちろん、集落やその周辺においても、クマの被害に遭わないように、十分な注意をお願いします。
■山の実りの状況(速報)
ブナ…大凶
コナラ…並上
ミズナラ…並上
3種全体…並上
■目撃・痕跡情報数
県民等から報告された今年度のクマの目撃・痕跡情報数は、8月31日現在で208件となっており、被害対策の効果等により、同時期の過去3か年の情報数と比較して少ない状況です(R3年度8月末:217件、R2年度8月末:266件、R1年度8月末:365件)(資料2参照)。
しかし、過去2か年の年間目撃・痕跡情報数は増加しており(R3年度:589件、R2年度:520件)、分布域も拡大傾向にあることから、これまで出没の少なかった地域でも情報数が増加しています。
■本年度の被害発生状況
(1)春先から夏場にかけて、これまであまり出没のなかった県中部の住宅地周辺への出没により、クマの存在自体が住民に恐怖心を抱かせる精神的被害が発生しました。また、7月後半以降、果樹園への出没や集落に植えられているカキなどの食害が県下各地で多発しています。
(2)クマが直接人を襲うことによる人身被害は、今年度は発生していません。
■対応
(1)クマの出没地域では、
① 人里であっても、夕方から朝の時間帯の外出に注意する
② 不要なカキの木の伐採や、カキの実の早めの収穫を行う
③ 果樹園は電気柵を設置する
④ クマを誘引する生ごみを屋外に置かないなどの対策が重要です。
(2)ハイキングなどでクマの生息する山林に入るときは、音響物(ラジオ・鈴等)を携帯し、出会い頭の遭遇を避けることが重要です。(資料3参照)
(3)大部分のクマが冬眠に入る12月中旬頃までは、十分な注意が必要です。
(4)クマを目撃した場合、また食害跡、足跡、爪痕などを見つけた場合は、市役所・町役場へ連絡してください。
早期の対策と地域住民等への周知による注意喚起を行います。
(資料1)豊凶調査結果(概要)(PDF)
(資料2)ツキノワグマの目撃・痕跡状況、捕獲状況(PDF)
(資料3)ツキノワグマの被害防止パンフレット3.pdf(PDF)
- 情報提供元
- 兵庫県
- 連絡先
- 森林動物研究センター
TEL/0795-80-5500