但馬事典
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くぐり池

くぐり池(くぐりいけ、新温泉町多子)

新温泉町多子の池の上というところに、「くぐり池」という3畝ほどの小さな池がある。池の下は鳥取県鳥取砂丘の「多鯰ヶ池(たねがいけ)」に続いていると言い伝えられてきた。池につけていた洗物やひょうたんがいつの間にかなくなり、後日、遠い「多鯰ヶ池」で浮かんでいたそうだ。コウボネやフトイなど貴重な植物が咲くこの池には悲恋の物語が残っている。
あるとき、「くぐり池」の近くに住む娘が、村を訪れたお坊さんを一目見て好きになったそうだ。お坊さんも娘のことをいとおしく思ったが、修行の身。娘と一緒になることはかなわず、娘はそれを儚んで池に身を投げてしまった。それを知ったお坊さんも娘のことをかわいそうに思い、後を追って池に身を投げた。村の人は2人を哀れんで、池のすぐそばにお地蔵さんを祀って供養したそうだ。その後、2人が「多鯰ヶ池」で見つかったかは分からないが、今でも地蔵が2人の悲恋を伝えている。
この不思議な「くぐり池」は、大雨が降っても、晴れた日が続いても池の水かさは変わらず、照来地区の七不思議のひとつに数えられている。

カテゴリ:事象・伝説・昔話