川虫トビケラの成虫

執筆 上田尚志   掲載 2016年12月21日 10時49分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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コウノトリ文化館のデッキにホタルトビケラの成虫がいました。幼虫は河川上流域の流れの緩い場所に棲み、砂でミノムシのような巣をつくります。成虫は秋に出現します。ここにはババホタルトビケラの生息記録もありますが、大きさからホタルトビケラとしました。ババホタルトビケラは東日本の平地に多く生息する種で、兵庫県ではコウノトリの郷公園でのみ見つかっています。




これはヨツメトビケラ。コウノトリ文化館の上にあるビオトープの横を流れる溝で見つかります。こちらは春に出現し、あちこちの渓流でたくさん飛翔するのが見られます。幼虫は同じような砂の巣をつくります。





ムラサキトビケラは大きく目だつ種類です。これも、文化館のデッキで発見。落ち葉で巣をつくり、里山の緩やかな流れに住みます。

川の中の石をめくると、小さな虫が這いまわります。これはカゲロウとカワゲラの幼虫。トビケラと合わせて代表的な川虫で、淡水魚の餌としても重要です。川に多様な環境があると、川虫も種類と量が多くなります。


               写真(ホタルトビケラ)高橋信  
               写真(ヨツメトビケラ・ムラサキトビケラ)・文 上田尚志

越冬前のテントウムシ

執筆 上田尚志   掲載 2016年11月29日 10時23分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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山が紅葉に染まるころ、たくさんのテントウムシが、日当たりのよい岩肌に集まっていることがあります。ここは11月の阿瀬渓谷、見渡す限り、テントウムシだらけです。どこにこんなにいたのかと思うぐらいの数です。テントウムシは成虫で岩の隙間や樹皮の隙間などで越冬します。暖かそうな良い場所を探して集まってくるのかもしれません。



何種類かのテントウムシが混じっているようですが、ここでは2種類が見られました。



いろいろな種類のテントウムシに見えますが、画面は1種類、ナミテントウ(単にテントウムシともいう)です。ナミテントウの斑紋には変異がありまるで別種のように見えます。



中に少し大きなテントウムシがいます。カメノコテントウです。クルミハムシの幼虫を捕食します。但馬の渓谷にはオニグルミがたくさんあるので、カメノコテントウも良く見かけます。

湿原の絶滅危惧種 ヒラサナエ

執筆 上田尚志   掲載 2016年06月28日 07時05分   カテゴリ たじまのしぜん

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中国山地の草原や湿原には寒冷期の動植物が点在して生息していることが多い。いずれも生息地は分断され絶滅の危機に瀕している。ウスイロヒョウモンモドキは中国山地の草原の絶滅危惧種として有名だが、このヒラサナエは湿原の絶滅危惧種だ。湿原の中の小さな流れ、カキツバタやオタカラコウが生えるような場所が生息地。中国山地でも限られた場所にしか生息せず、兵庫県のレッドデータAランク。5月から7月にかけて現れる。植物の葉に止っていることが多く、生息していれば見つけること比較的簡単。但馬高原植物園内の湿地にも生息するので、ここで観察するのがおすすめ。



ヒラサナエのメス。よく似た種が多く、ていねいに見ないと識別は困難。



ヒラサナエだと確認するにはオスの腹部末端をマクロ撮影しておくとよい。

ヒメウラナミジャノメ

執筆 上田尚志   掲載 2013年06月29日 08時56分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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春5月頃から現れ始め、秋まで見られる蝶。家の周りの草地や里山の林縁で普通に見られます。蝶といえば色鮮やかなイメージがあるので、これは蛾だと思う人も多いのではないでしょうか。幼虫の食草はイネ科植物、ススキやチジミザサなどで見られます。幼虫で越冬し5月ごろ羽化しますが、1年に3回ぐらい世代を重ねます。飛び方はゆっくりで、ヒメジョオンなどで吸蜜します。



翅の裏側は、波型の模様。これが「ウラナミ」いわれる理由です。「ジャノメ」は蛇の目。「ヒメ」は、ウラナミジャノメという別種より、少し小さく華奢なイメージなので「姫」なのだと思います。ヒメコガネ、ヒメゲンゴロウ、ヒメハナカミキリのように、ヒメは種名によく使われます。コクワガタ、コガムシのようにコも小さいという意味でよく出てきます。コガタノゲンゴロウのようなストレートな種名もあります。
蛇の目模様は捕食者を脅すため。一瞬の隙に逃げます。一見地味ですが、よく見るとなかなか凝ったデザインで、見方によっては美しい蝶です。

砂浜のゾウムシ

執筆 上田尚志   掲載 2013年05月27日 17時35分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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砂浜には砂浜の環境に適応したいろいろな昆虫が住んでいます。ゾウムシの仲間にも海岸の砂浜にいる種がいます。スナムグリヒョウタンゾウムシは体長6mmぐらいの小さな甲虫(こうちゅう)です。砂の上に落ちると、まわりの色とよく似ていて、すぐに見失います。各地の海岸に住んでいます。



ハマヒルガオの葉の上で交尾です。



成虫がハマヒルガオの花びらを食べています。あちこちのハマヒルガオの花びらにかじられた痕があります。かなりたくさんいるようです。名前はスナムグリですが、砂に潜っているばかりではないのですね。

樹液に来る虫たち

執筆 上田尚志   掲載 2011年08月25日 09時00分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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夏の雑木林。コナラの木にルリタテハが来ています。最近はなぜか、樹液を出す木が少なくなったように思えます。


ゴマダラチョウもよくやってきます。幼虫はエノキの葉を食べるので、近くにエノキがあるはずです。


カナブンとミヤマクワガタも定番です。これにオオスズメバチが加わります。本当はこのすぐそばにいたのですが、写真には写っていません。

ハナカミキリ

執筆 上田尚志   掲載 2011年07月25日 19時37分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ヨツスジハナカミキリは但馬の山で最も普通に見られるカミキリムシです。しかし、黄色に地に黒い縞模様、山のカミキリムシの風格があります。初めて見たときには、ちょっと興奮しました。後で、どこにでもいることが分かりましたが、なかなか魅力的なカミキリムシです。7月はじめから咲き始めるノリウツギ、ヤマアジサイ、7月下旬から咲くリョウブなどの山地の花に集ります。平地ではほとんど見ることはありませんが、但馬では少し山に入ると見られます。


この写真は氷ノ山の中腹ですが、リョウブの花は咲き初めたばかりで、満開のヤマアジサイにたくさんの個体が集っていました。交尾しているカップルもたくさん見られました。

ヤナギハムシ

執筆 上田尚志   掲載 2011年04月29日 18時06分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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4月の上旬、円山川の河川敷のヤナギに花が咲き始める。しかし、まだそんなには目立たない。河川敷のヤナギがやわらかい黄緑色に包まれるのは4月下旬。ヤナギハムシが現れるのもちょうどこの頃。


1cmぐらいの小さな虫だが、ハムシの仲間ではむしろ大きいほうだ。背中の斑点が特徴で、よく似た種はいない。


葉が芽吹いた頃、交尾する。ちょうど柔らかい葉が展開する頃には、幼虫が葉を食べ始める。1ヶ月ぐらいで蛹になり、初夏には成虫になる。それから、成虫の姿は見られなくなる。いったい翌年まで、どこで過ごしているのだろう。


淡水エビ類その2

執筆 上田尚志   掲載 2011年01月17日 19時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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前回、田んぼビオトープの生物調査ではほとんどがミナミヌマエビと書きましたが、豊岡盆地で調査すると、テナガエビ科のテナガエビ、スジエビ以外に、3種類のヌマエビ科のエビが見られます。いる場所は、円山川本流やそれに近いビオトープ、あるいは池などに限られていると思います。実体顕微鏡で見ると正確に区別できます。現地では模様や外見で区別しますが微妙です。

最初はミナミヌマエビ。透明に近いものから、色の濃いものまで様々です。眼に注目して、次の写真と比べてみてください。


ミゾレヌマエビです。眼の出方が少し斜めですね。実体顕微鏡では、胸の角が尖らないので区別できます。


ヌマエビです。眼が真横に出ています。実体顕微鏡では、角の根元に棘があるので区別できます。


スジエビや、テナガエビは大きいのでヌマエビ科と区別できますが、小さいときはよく似ています。眼が大きく飛び出ています。スジエビです。

淡水エビの仲間

執筆 上田尚志   掲載 2010年12月19日 20時09分   カテゴリ たじまのしぜん

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ビオトープや小川の生物調査では、川エビが網に入ります。その中で最も多いのが、ミナミヌマエビです。特に、池や水田ビオトープのエビは、殆どこの種です。

ミナミヌマエビは、体色の変化が大きく、透明に近いものから、茶色のものまであります。


これから調査するとヌマエビの仲間はもう少し種類がみつかる科も知れません。


川に多いスジエビはミナミヌマエビより大きくなりますが、小さいときはよく似ています。しかし、上から見ると眼が飛び出していることや、胸の模様などで区別できます。


テナガエビも川に多く、小さいときは、他のエビと似ていますが、胸の模様や棘の様子で区別できます。

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