タモロコ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年11月30日 21時38分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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タモロコ コイ目 コイ科

 “モロコ”という魚の名前を聞いた方は多いかと思います。田んぼ脇の水路や小川など、身近なところに棲んでいる魚です。子どもの頃、魚取りをしていて捕まえた経験がある方も多いでしょう。よく似た種でホンモロコという魚がいますが、ホンモロコは琵琶湖の固有種でして、但馬には自然分布していません。但馬で見かけるのはタモロコです。

 コケでも食べているのでしょうか。雑食性で色んなものを食べますが、動物質のものをよく食べるようです。体長は大きいもので12センチほどになります。

 一見、同じコイ科のカワムツの若魚によく似ていますが、カワムツと比べてウロコが大きいことや口元にヒゲがあること、ヒレの色など違いがあります。

カワムツ  コイ目コイ科


タモロコ  コイ目コイ科

 タモロコは琵琶湖のホンモロコと比べて、体型がずんぐりしていて尻尾の付け根が太い、口ヒゲが長いなどの特徴があります。対して、ホンモロコは遊泳力の高いスマートな体型で口ヒゲが短く、鰓耙(エラにある餌を濾し取る器官)がプランクトンを食べるのにより適した形をしているなど、タモロコと比べて、湖などより広い水域での生活に適した特徴が目立ちます。しかし、この特徴は地域によって違いがあるようです。例えば、福井県の三方湖のタモロコは、湖に棲んでいるためかホンモロコに近い特徴があります。ところが、琵琶湖に棲んでいるタモロコは、湖に棲んでいるにもかかわらず、よりずんぐりした体形で口ヒゲも長いようです。これは、同じところにホンモロコとタモロコが棲んでいると、お互いの競争によって生息場所の棲み分けが進み、それぞれの生息環境に適した特徴が際立ってくる現象のようです。タモロコはよりタモロコらしく、ホンモロコはよりホンモロコらしくなるようです。但馬に棲んでいるタモロコも、体型などを詳しく調べてみると面白いかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤドリギ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年11月23日 16時21分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ヤドリギ ビャクダン科

 ヤドリギは、宿り木です。大きな木に寄生しています。葉は緑色をしていますので光合成をして自分で栄養を作ることをしながら、寄生した植物から根で養分も取っています。こんな植物を半寄生といいます。



 ブナ、エノキ、ケヤキ、クリ、サクラなどいろいろな落葉樹の大木に寄生します。但馬では、ブナについているのをよく見ます。過去の研究でヤドリギは、林縁に多く、また、孤立した大木に多いことが分かっています。


交流センター前の駐車場。大きな看板もある。一番目立つ場所に間違いない。

 寄生する木が葉を茂らせている季節はなかなか気づきませんが、葉を落とした頃になるとよく目立ちます。写真の木は、鉢伏高原で最もよく目立つミズナラです。私はこれまでこの木にヤドリギがついていることに気づいていませんでした。それがこの雪景色の中、気づかずに済ますことはできませんでした。


雪の重みで落ちたらしいヤドリギ。この日は結構こんなのに出会った。そんな機会でないと間近に見ることは難しい。

 葉が落ちた木の中で鮮やかな緑の葉、雌株にはこれまた鮮やかな黄色、まれに赤い果実をつけたヤドリギは見る者に何か元気をくれるような植物です。よく似た種類のセイヨウヤドリギに古代ヨーロッパの人たちが不思議な力を持つと考えて、宗教的な行事に使われたのも分かる気がします。


この果実は、黄色いのか? 赤味を帯びていてこれからさらに赤くなるのか? 微妙な色合いだった。とりあえず黄色ということにしておこう。

 果実は、黄色ですが。中には赤い果実をつけるアカミヤドリギと呼ばれるものもあります。この果実の中には、種子と鳥の餌になる部分とねばねばする糸のような部分が含まれています。鳥のお腹を通ることで、果実の表面の皮と鳥の栄養となる部分はなくなり、長いひも状のねばねば部分と種子が残ります。このねばねば部分は、鳥が糞をした時に鳥のお尻にくっついて、種子を含んだままだらんとぶら下がります。その中の幾つかが大木の枝にくっつき、さらのその中の幾つかが発芽して生長していきます。



 かつては、ヤドリギの果実や茎葉から鳥もちが作られました。牛馬の飼料に使われたり、飢饉の時に食用にもされたといわれています。漢方薬としても使われています。



すでに乾いていたが、樹液の感じがいかにも粘りそうだった。鳥もちが作れるのが納得できる質感だった。

ノゴマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年11月11日 14時27分   カテゴリ たじまのしぜん

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渡り鳥の季節もいよいよ終盤になり、多くの渡り鳥は越冬する目的地に到着したか、その手前の中継地にいることでしょう。10月中旬の円山川河川敷のヨシ原は、旅する渡り鳥の多くが中継地として利用することで知られています。

天敵に見つからないよう、深いヨシ原の中に身を潜めていますので、それらの渡り鳥を観察するのはなかなか難しいことです。この時期にヨシ原で実施される環境省の鳥類標識調査では、これらの旅鳥の存在が明らかにされてきました。

継続的に野鳥観察を続けていると、思いがけない鳥に出会うチャンスが訪れます。今回は秋の渡りのノゴマに出会うことができました。日本では北海道が主要な繁殖地で、秋になると南の国へ渡ってゆきます。


ノゴマの渡りはグループで行われ、秋の観察では同じ場所で複数羽を見ることができます。喉の赤いのはオスで、英名の「ルビー・スロート」(ルビー色の喉)の通りの美しいツグミの仲間です。一方のメスはこの赤い色がありませんので、とても地味な鳥です。


春の渡りでは、北の繁殖地に向かうノゴマを見ることができますが、ソングポストと呼ばれる見晴らしの良い枝先などに止まって囀りますので、秋のノゴマより観察チャンスが増えます。秋のノゴマは見る機会が少ない分、出会えればうれしい気持ちになります。

たとえ見ることができなくても、このような鳥が、毎年確実に円山川のヨシ原を利用して行くことを知ってもらえれば幸いです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ツノフノリタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年11月04日 10時59分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ツノフノリタケ   アカキクラゲ目 アカキクラゲ科
角布海苔茸    (Calocera cornea )
黄色〜橙黄色の高さ1.5僂曚匹両さなキノコ。少し曲がって先がとがっている。分岐するものも多い。朽ち木上に単生から束生、散策道の木材や古くなった木製ベンチなどに発生していることもある。

少し似たキノコにツノマタタケがあり、こちらの方がより多くの図鑑で紹介されていること、また、ツノマタタケの方がよく見かけることから、よく観察しないとツノマタタケと誤認して、ツノフノリタケと気が付かずに通り過ぎてしまいやすい。



和名の由来は、角のような形で、海藻である「布海苔」とよく似ているためである。布海苔はあまり馴染みがないので、角を振っているように見えるためツノフリタケと勘違いしておりました。
小さいけれど朽ち木に発生する様子は美しい。
食毒不明、食用の価値はないが飾りにはなると思う。

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