トサカギンポ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年09月30日 17時59分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

トサカギンポ  スズキ目 イソギンポ科

 この魚はあまり馴染みがないかもしれません。全長5センチほどの小さな魚です。内湾や大きな川の汽水域に住んでいます。但馬では、今のところ円山川でしか確認されていません。岩の間やカキ殻の隙間などに潜んでいることが多いです。肉食性でゴカイなど小さな水生動物を食べているようです。




 名前のとおり頭にトサカがあります。ギンポの仲間はほとんどが海水魚ですが、汽水域に住んでいる種類もいくつかいます。


 こちらの写真は魚類調査で採集したときの写真です。兵庫県レッドデータのランクでは要調査になっており、県内の生息状況は十分に把握されていないようです。個体数もそんなに多くないようです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

ヤブレガサ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年09月25日 14時06分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ヤブレガサ キク科



 依頼があって20年ほど前に見つかった植物を探しに行きました。
 この植物、兵庫県では2か所でしか見つかっていなくてどちらの場所も現状不明になっています。頑張って探しましたが結局見つけることはできませんでした。もう一度行こうと思っています。



 さて、目的の植物はありませんでしたがヤブレガサはたくさんありました。状況から見て、シカが食べ残したようです。花が咲いているものもいくつかありました。ちょっと不思議な山で、高いところほどシカの食害がひどく、ふもとの方は、イノシシ用の低い柵で囲われた畑も被害を受けていませんでした。ヤブレガサは最も被害のひどいあたりに生えていました。




 ヤブレガサというのは、文字通り「破れた傘」です。確かに頑丈そうで大きくて立派な葉ですが、さすがに人が傘にするには小さすぎます。葉は、中心近くまで深く切れ込み、さらに裂けたそれぞれがまた裂けています。破れているというような生やさしい状況ではありません。もう裂けまくっています。この開いた葉から傘を連想するのはちょっと難しいです。



 この植物が芽生えた春先の姿は、なるほど傘です。やがて落ちてしまう白い毛が生えてなかなか風情もあります。この姿ならヤブレガサは納得です。近い仲間のモミジガサ、タイミンガサ、ニシノヤマタイミンガサなどみんな同じような姿をしています。

 シカにほとんど食べられていないヤブレガサでしたが、中にはしっかり食べられているものもありました。





クロジ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年09月15日 13時06分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

クロジという鳥がいます。ご存知でしたか? 兵庫県レッドデータBランクの希少種。漢字で「黒鵐」と書き、「黒字」ではありません。ホオジロ科の鳥で、同じ仲間のアオジは冬の間、平地の笹薮でよく見かける鳥なのに対し、クロジは夏の山の上でないと観察できない鳥です。ちなみに、「赤字」という鳥は存在しません。


写真で見るとおり、黒い色をした超地味目な鳥です。クロジの姿を開けたところで見ることはほとんどなく、山の笹薮の中から聞こえる特徴的な囀りで、その存在を知ることができます。高く「ホ〜イ・チョイチョイチョイ」と鳴く声の主が、このクロジです。


長い間、野鳥観察を続けてきて、この夏ようやくクロジの姿を写真に収めることができました。明るいところでもこのように地味ですから、これが藪の地面近くに潜んでいれば、まず姿を見つけることは困難でしょう。

クロジは山で繁殖している期間、虫を食べて暮らしており、秋以降は暖かい地方に移動して植物の種子などを食べる雑食性の鳥です。ひょっとしたら、冬の但馬の里山周辺にもひっそり潜んでいるかも知れませんね。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

コイヌノエフデ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年09月02日 10時24分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

本文を開く
本文を閉じる
コイヌノエフデ  スッポンタケ目 スッポンタケ科 
子犬ノ絵筆   (Jansia borneensis)




コイヌノエフデ。主に夏、林内に単生〜群生する。高さ約4〜5cm、上部は赤褐色で、下部の柄の部分と明瞭に境界がある。中は空洞。幼菌時は白い卵状で、成長するとツボとして根元に残る。



かわいらしい和名である。スッポンタケの仲間で、図鑑を見るとシマイヌノエフデ、キツネノエフデ、キツネノロウソク、キツネノタイマツ、、、楽しい和名がたくさんある。その中の一つ。

写真のものは、下部の柄の部分もオレンジ色がかっている。下部が白いものをコイヌノエフデとし、オレンジ色のものを別種としてウスキコイヌノエフデ、あるいはコギツネノエフデとして分類する説もあるようだ。



写真のものではまだ表に出てきていないが、胞子を形成する基本体(グレバ)は黒褐色の粘液化し、それが染み出てくるので、筆にインクが付いたようになる。動物たちがそれを絵筆として使うということが連想されのが和名の由来であろう。ユニークな形とかわいらしい和名、森の中で鮮やかな色彩。たまに出会う楽しいキノコである。
無毒のようであるが、食用価値は無いというのが一般的な評価。

一番上へ
サイドナビ
サイトマップ