アカテガニ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年02月29日 11時33分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アカテガニ   十脚目 ベンケイガニ科

 城崎温泉や玄武洞の周辺の円山川の川岸を歩くと、このカニをよく見かけます。名前のとおり、手(ハサミ)が赤いカニです。川から少し離れた畑や山の中でも見ることがあります。アカテガニは海岸や川の下流域周辺などの陸地に生息しています。カニなので鰓で呼吸をしているのですが、あまり水には入りません。少しの水があれば体内にためて、それを鰓呼吸に使うことができます。なので、長く陸上で暮らすことができます。


 この写真のように、石の隙間や土に穴を掘って入っていることがあります。雑食性で、草の葉っぱや昆虫、動物の死がいなど、色んなものを食べます。


 一枚目の写真と違って、このように全身赤い個体もいます。ベンケイガニという、赤くてよく似ている種類がいますが、甲羅の縁の形などで見分けることができます。


 この個体は卵を抱えていました。昨年の8月に撮影したものです。産卵期は夏です。ふ化が近づくと、卵を抱えた親ガニは海岸に集まります。そして大潮の夜、海に浸かると卵がふ化して子ガニが海に泳ぎだします。この頃の子ガニはカニの形をしていません。ゾエア幼生と呼ばれ、大きさは1ミリほどです。海中を漂ってプランクトン生活をして脱皮をくりかえし、秋になるとカニの形になって上陸します。


 雨上がり、川岸の草むらを歩くアカテガニ。昔は無数に歩いているのを見ましたが、近年はまばらにしか見かけません。全国的に減少しているようです。自然が豊かと思われる円山川周辺でも生息数が減りつつあるようです。

 写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

クサレダマ 増えているのかも?

執筆 菅村定昌   掲載 2016年02月21日 21時45分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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クサレダマ サクラソウ科



 クサレダマとは変な名前です。「くされだま」と聞くと「腐れ玉」だと思います。正しくは「草レダマ」です。レダマというのはマメ科の園芸植物です。レダマは木で、クサレダマは草です。花が似ているから草のレダマなんだそうです。花で似ているのは、花の色が黄色で大きさが近いところです。花の形は似ているようには見えません。イオウソウ(硫黄草)という名前もあります。花がたくさんつくと黄色がよく目立ちます。
 近畿地方では、和歌山県を除く府県で絶滅危惧種に指定されています。兵庫県ではBランクになっています。
 豊岡では、花は6月中旬後に咲きますが、但馬高原植物園では、7月中旬頃に見ることができます。今、但馬で確実にクサレダマが見られるのは但馬高原植物館だけです。



 クサレダマを豊岡で初めて見たのは、県立コウノトリの郷公園の工事が始まる頃です。郷公園の飼育ゾーンの中を流れる川の側に生えていました。しばらくして数km離れた谷でも見つけました。この2カ所からは5年で程で姿を消しました。どちらも耕作されなくなった田んぼの近くに生えていました。耕作が中止されると同時に周囲の草刈りもされなくなりススキやネザサが繁りだしました。競争に負けたクサレダマは姿を消したのでした。同時に隣接する水田の中のミズオトギリも道沿いのニワフジなども姿を消しました。似たような立地でも同様なことが起きていて、どこに行ってもクサレダマは見つかりませんでした。クサレダマは豊岡から姿を消したのかと心配になりました。



 5年ばかり前に山野草に詳しい方に尋ねるとうちの田んぼの法面に残してあると言われました。また、同じ頃、野鳥に詳しい大先輩から庭の植物の名前を見てほしいと頼まれました。中に背の低いクサレダマがありました。たくさん生えていたので、三川山の日高側のふもとから持ち帰ったということでした。以後、そこに行っているが見られなくなったとも話されました。昨年まで、豊岡市で確認されていたクサレダマはこれだけです。人が関わらないとダメな状況にあるのかなと思いました。



 ところが、昨年、通勤途上で見つけてしまいました。非常に車通りの多い道の側溝に大きな株に花がたくさん咲いていました。見事でした。休みに日にじっくり見てみました。ガマ、セイタカアワダチソウ、ミゾソバなどの中に8株ほどありました。



 気づいたのは私だけではなかったようです。まずは、ガマが少しずつ姿を消しました。ガマの穂が目立っていたので、生け花系の方が持ち帰られたのでしょうか? ガマが減る中で花の付いたクサレダマも消えていきました。最初に咲いた2株は、花が終わって実が付いていてそれは最後まで無事でした。

 さて、このクサレダマはどこから来たのでしょうか? 側溝ですから上流に決まっています。そこで上流を調べてみました。見つかりませんでした。京都府では、「2002年版レッドデータブックで絶滅寸前種としていたが、丹後地域で増加する傾向が認められるので、ランクを下げた。」としています。「休耕田の増加や、シカの忌避植物であるため増加していると見られる。」のだそうです。今年も頑張って探したいと思います。

 北海道に行って驚きました。クサレダマ、どこにでもあります。さすが北方系の植物です。旅行の始めに見つけてわくわくしたのが、すぐに「なんだ」になってしまいました。


北海道

トラフズク

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年02月14日 16時11分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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冬の円山川河川敷は、野鳥にとって格好の隠れ家と餌場になっています。注意深く観察していれば、込み入ったヤナギの枝中や、生い茂ったヨシ原の中に、隠れ上手の鳥を見つけることができます。

中でもフクロウの仲間のトラフズクは、昼間はじっと動かず、木と同化しているので、見つけるのが難しい鳥の代表です。


雪の河川敷、ヤナギの枝分かれの基部に、1羽のトラフズクを見つけました。そこにいることが分かってしまえば、指示されたあたりに見つけることができますが、何気に通り過ぎるだけでは、まず気づくことはないでしょう。


同じ場所のアップの写真です。トラフズクはこちらに気づいてオレンジ色の目を開いていますが、日中はじっと目を閉じて日が暮れるのを待っているので、存在感はまったく希薄です。

日が落ちると、狩の時間の始まりです。トラフズクは河原の野ネズミを選択的に捕食する猛禽類です。聴力を頼りに夜のネズミを捕捉し、音も立てずに空から急襲して捕まえます。雪の下のネズミでも、トラフズクは難なく捉えることができます。

トラフズクは何羽かの群れで円山川流域で越冬し、春が近くなる頃、いつのまにかいなくなってしまいます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ハチノスタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年02月06日 12時50分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ハチノスタケ   ヒダナシタケ目 タコウキン科
蜂巣茸           (Polyporus alveolaris)
11月、深山のブナ・ミズナラ林で、倒木に群生するキノコを発見。ヒラタケか!と思ったが、雰囲気が違う。調べてみるとハチノスタケであった。


名前の由来は、傘の裏側一面にある孔口がハチの巣のように見えるからである。





傘の径は大きいものは10センチほどあり、柄は短くほとんどない。淡褐色。初夏〜晩秋まで、発生時期は広いようである。木を白色に腐れさせる白色腐朽菌。平地、深山を問わず発生場所も幅広いようである。



 さて、このキノコが食用になれば嬉しいのであるが、残念ながら不食。無毒であるから食べられないことはないが、コルク質〜木質でまったく美味しくないようである。ただし、とても良い出汁が出るという情報がある。香りも悪くなく、トビムシがたくさん集まっていた。次回は採取して出汁をとってみたい。



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