ヤドリギ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年11月23日 16時21分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる


ヤドリギ ビャクダン科

 ヤドリギは、宿り木です。大きな木に寄生しています。葉は緑色をしていますので光合成をして自分で栄養を作ることをしながら、寄生した植物から根で養分も取っています。こんな植物を半寄生といいます。



 ブナ、エノキ、ケヤキ、クリ、サクラなどいろいろな落葉樹の大木に寄生します。但馬では、ブナについているのをよく見ます。過去の研究でヤドリギは、林縁に多く、また、孤立した大木に多いことが分かっています。


交流センター前の駐車場。大きな看板もある。一番目立つ場所に間違いない。

 寄生する木が葉を茂らせている季節はなかなか気づきませんが、葉を落とした頃になるとよく目立ちます。写真の木は、鉢伏高原で最もよく目立つミズナラです。私はこれまでこの木にヤドリギがついていることに気づいていませんでした。それがこの雪景色の中、気づかずに済ますことはできませんでした。


雪の重みで落ちたらしいヤドリギ。この日は結構こんなのに出会った。そんな機会でないと間近に見ることは難しい。

 葉が落ちた木の中で鮮やかな緑の葉、雌株にはこれまた鮮やかな黄色、まれに赤い果実をつけたヤドリギは見る者に何か元気をくれるような植物です。よく似た種類のセイヨウヤドリギに古代ヨーロッパの人たちが不思議な力を持つと考えて、宗教的な行事に使われたのも分かる気がします。


この果実は、黄色いのか? 赤味を帯びていてこれからさらに赤くなるのか? 微妙な色合いだった。とりあえず黄色ということにしておこう。

 果実は、黄色ですが。中には赤い果実をつけるアカミヤドリギと呼ばれるものもあります。この果実の中には、種子と鳥の餌になる部分とねばねばする糸のような部分が含まれています。鳥のお腹を通ることで、果実の表面の皮と鳥の栄養となる部分はなくなり、長いひも状のねばねば部分と種子が残ります。このねばねば部分は、鳥が糞をした時に鳥のお尻にくっついて、種子を含んだままだらんとぶら下がります。その中の幾つかが大木の枝にくっつき、さらのその中の幾つかが発芽して生長していきます。



 かつては、ヤドリギの果実や茎葉から鳥もちが作られました。牛馬の飼料に使われたり、飢饉の時に食用にもされたといわれています。漢方薬としても使われています。



すでに乾いていたが、樹液の感じがいかにも粘りそうだった。鳥もちが作れるのが納得できる質感だった。

ミズヒキ いろんなのを見つけました

執筆 菅村定昌   掲載 2017年10月24日 21時07分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ミズヒキ タデ科



 この植物の名前であるミズヒキは、ご祝儀袋についている紅白のひも「水引」に由来します。



小さな赤い花がたくさんついて赤い線のように見えるので水引の赤い線を想像したのかなと思いましたが違いました、花をよく見ると花びら(本当はがく片)の上側が赤で下側が白なので、花の連なりを上から見ると赤い線、下から見ると白い線に見えるのが由来だそうです。



 ミズヒキは、林やその縁などに普通に生えています。葉に特徴的な斑紋があるので春でもすぐに見つけられます。



 今年はいろんなタイプのミズヒキが生えている場所に行き当たりました。それを紹介します。

 まずは、白花のミズヒキです。ギンミズヒキという名前がついています。これと普通のミズヒキがあるとまさに本物のミズヒキです。







 次は赤と白が混じっているものです。ゴショミズヒキという名前がついています。



 先だけ赤(ピンク)のものもありました。



ヤブレガサ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年09月25日 14時06分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ヤブレガサ キク科



 依頼があって20年ほど前に見つかった植物を探しに行きました。
 この植物、兵庫県では2か所でしか見つかっていなくてどちらの場所も現状不明になっています。頑張って探しましたが結局見つけることはできませんでした。もう一度行こうと思っています。



 さて、目的の植物はありませんでしたがヤブレガサはたくさんありました。状況から見て、シカが食べ残したようです。花が咲いているものもいくつかありました。ちょっと不思議な山で、高いところほどシカの食害がひどく、ふもとの方は、イノシシ用の低い柵で囲われた畑も被害を受けていませんでした。ヤブレガサは最も被害のひどいあたりに生えていました。




 ヤブレガサというのは、文字通り「破れた傘」です。確かに頑丈そうで大きくて立派な葉ですが、さすがに人が傘にするには小さすぎます。葉は、中心近くまで深く切れ込み、さらに裂けたそれぞれがまた裂けています。破れているというような生やさしい状況ではありません。もう裂けまくっています。この開いた葉から傘を連想するのはちょっと難しいです。



 この植物が芽生えた春先の姿は、なるほど傘です。やがて落ちてしまう白い毛が生えてなかなか風情もあります。この姿ならヤブレガサは納得です。近い仲間のモミジガサ、タイミンガサ、ニシノヤマタイミンガサなどみんな同じような姿をしています。

 シカにほとんど食べられていないヤブレガサでしたが、中にはしっかり食べられているものもありました。





ニシノヤマタイミンガサ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年08月23日 22時05分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ニシノヤマタンミンガサ キク科



 これは兵庫県では大変に珍しい植物です。
 『兵庫県版レッドデータブック2010』には、県内分布に「但馬、東播、丹波」、特記事項に「県内では1カ所で知られている。」と書かれています。かつては何カ所かで知られていたものの1カ所しか残っていないということです。


これはタイミンガサ。タイミンガサによく似たヤマタイミンガサという植物があって、その西日本タイプのようなのがニシノヤマタイミンガサ。タイミンガサは但馬にはたくさんあったがシカに好まれて激減している。お隣の京都府には少なく絶滅危惧種の指定を受けている。


ニシノヤマタイミンガサ。準不嗜好性種。今年はシカの食害が低減しているようで7月末でも多くが残っていた。

 依頼を受けて2か所を見に行きました。一か所目は過去の記録がある場所です。広い範囲を示す地名だけなので、無理だろうなと思いながら最も自然度の高い谷を中心に探しました。やはり見つけることができませんでした。もう一か所は、京都の方が林道を車で走っていて見つけられたという場所です。写真と印のついた地図を送っていただいていたので楽勝と思って見に行きました。車から見えると思って何度も印の周辺を探しましたが何もありませんでした。


こちらの群落は食害がひどく8〜9割方食べられていた。

 なんかもう今すぐにでも絶滅しそうな感じですが大丈夫です。実は、ニシノヤマタンミンガサは、シカが好んで食べようとはしない植物の一つなので、生育場所は少ないのですが、生育しているところでは数千〜数万株という大群落をつくっています。
 春には食害を受けることが稀で、季節が進んで他の植物が食べられて姿を消すにしたがって食べられるようになり、夏から秋には姿を消すことが多いのだそうです。


大群落。食害はひどくないが開花株はぎりぎり2桁。

 この春に、たくさんある場所を教えていただいて見に行きました。少し苦労しましたが見つけることができました。大群落でした。その周辺を歩き回りました。以前、京都の方が見つけられた場所は、教えていただいた場所から極近いので、そこは特に丁寧に歩きました。すると大群落がありました。前回、車を止めた場所のすぐ上です。あと10mほど登っていたら見つかっていたんですね、惜しかったです。



 見つかるときは見つかるものです。その日は、別の植物を見にすぐ近くの山に行きました。そこでも2群落見つけました。これは新産地になります。さらに、6月に別の山系で1群落を見つけました。但馬にはまだまだたくさんの産地があるようです。



これはテツカエデ。尾根から見るとニシノヤマタイミンガサに見えた。この群落に隣接してニシノヤマタイミンガサがあった。林床を覆うほどの個体数があったのはこの2種のみ。

ミゾホオズキ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年07月26日 11時35分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ミゾホオズキ ハエドクソウ科


氷ノ山

 名前のミゾ(溝)から分かるように水辺に生えます。水辺といっても大きな川ではなく山間の小さな流れの脇や水のしみ出る崖地などによく見られます。
 但馬では、コウノトリの郷公園の遊歩道のような標高の低いところから氷ノ山の高所までいたるところで見られます。山間部に行くと農業用水路の脇にも生えています。


氷ノ山

 ホオズキというのは、あのホオズキのことです。がくに包まれた果実がホオズキによく似ているところから来ています。ただし本物のホオズキのように赤くなったりはしません。


扇の山

 茎は四角い形をしており、葉には柄があります。長さ10mm〜15mmくらいの花を6月〜8月に咲かせます。黄色くて特徴的な形の花が目立ち思わず写真に収めたくなる植物の一つです。

 花びらは上下二つに分かれ、さらに上部は二つに、下部は三つに分かれています。


阿瀬渓谷

 先日、登った阿瀬渓谷では、シカによる植生被害が非常に深刻にもかかわらず背丈が低いことや崖地に多いことが幸いしてか、あるいはシカの駆除が進んだことが功を奏してか、ところどころで見ることができました。


氷ノ山

 よく似た種類にオオバミゾホオズキがあります。兵庫県はほぼ分布の西限に当たります。
 岡山県ではすでに80年近く発見されておらず絶滅が危惧されています。鳥取県では、兵庫県の近くの数カ所でわずかに知られています。兵庫県でも、但馬の高い山の標高の高いところにわずかに知られています。私は兵庫県産の花のついた写真を持っていませんので、先日、訪れた大雪山系のものを貼っておきます。

 一番大きな違いは、葉の柄です。
 ミゾホオズキには葉に柄がありますが、オオバミゾホオズキには葉に柄がありません。


大雪高原温泉沼巡り登山コース






ササユリ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年06月24日 22時27分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ササユリ ユリ科



 ササユリの学名は、Lilium japonicum Houtt です。japonicum とある通り日本固有種、日本にしかないユリです。ササユリは、本州の中部以南と四国、九州に生育します。丘陵地や山間の林縁もしくは疎林の林床に生育します。ササユリという名前は、葉がササに似ているからというのが納得ですが、ササやぶの中で咲くからという説もあります。


ササの中のササユリ

 かつては普通に見られたユリでした。関西で野生のユリといえばこのササユリを指しました。私が自然観観察を始めた40年ほど前には、山に近づけばあちらこちらに見られ、たくさん咲いている場所もありました。最近では、一株二株がちらほらと咲いているのを見ると珍しいものを見つけた気分になります。




 ササユリは、春先によく日光があたり、その後も木漏れ日の差す明るい木陰を好みます。それは、人が手入れをしていた里山の山裾であったり、山の中であったりします。里山が利用されなくなって、競合する植物が増えました。日当たりが悪くなりササユリは生育場所を大きく狭めました。ササなどがびっしりと生えると種子が発芽することもできません。次世代が育つことができないのです。



 また、かつては大量にあったので人が少々取っても影響はさほどありませんでした。その感覚で少なくなったササユリを取ると激減します。そこに獣害です。シカは地上部を食べます。球根が残るので多くは生き残るのでしょうが、数年続くと深刻なダメージが残ると思います。イノシシは、実に上手に球根だけを掘り取って食べます。


この大きさのものは地面に張り付いておりシカの食害から逃れていることがある。大きく育ったものがダメージを受けてこんな状態になるものもある。

 暗い話が続きましたが、明るい話もあります。
 豊岡市が設置されたノアの方舟の2か所でササユリが開花しました。うれしことに一株二株ではありません。小さな株も見られたので増えていくことは間違いありません。今後が楽しみです。


柵の中で開花を待つ株


これらは来年には咲くかもしれない。そんな株がいくつもあった。

 開花した柵の周辺は豊岡市でもシカにより食害が著しい場所でした。柵内は数年で大きく改善しました。ササユリは、種子から始まると開花まで10年近くかかります。球根が残っていると再生が早いです。球根や地下茎がまだかろうじて残っている今、多くの場所を植生保護柵で囲っていけたらと思います。



ピンクのものもある。

オオキンケイギクが目立ってきました

執筆 菅村定昌   掲載 2017年05月23日 23時26分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
オオキンケイギク



 オオキンケイギクが一斉に咲き始めました。
 2年前に、美しい花ですが日本在来の生きものたちに.悪い影響を与えるので駆除することが望ましいとお知らせしました。
 相変わらずたくさん咲いていますが、うれしい変化も起きています。



 但馬コネクションという集まりで外来生物の脅威をお話ししました。すると、何かしたいというお話しが来ました。
 そこで、この場所でオオキンケイギクを抜き取ることにしました。
 なんと18名もの人が集まりました。



 調べていただくと豊岡市の土地であることが分かりました。植村直己冒険館さんに調整していただいてここで作業ができることになりました。
 幸いなことに花はほとんど咲いていません。種子ができる心配がないので、抜いたものをその場に置いておくだけで大丈夫です。よい天気が続いて枯死しました。
 1時間でこれだけ取れました。3年ほど続けると在来種が優占すると思います。頑張ろうと思います。



 ここは、2年前までは、オオキンケイギクだけが刈り残されていました。今年は刈ってありました。
 神鍋山でオオキンケイギクを抜き取られたグループが新聞で紹介されたこともありました。新温泉町には、100m以上にわたって生育していた場所がありましたが、土木事務所さんがきれいに刈り取られました。国土交通省さんも刈り取ったものを種子がこぼれ落ちないように運ばれるようになりました。みんなで頑張りましょう。



 花が咲きそろうと駆除は面倒です。次のことを守って下さい。

 駆除は上流から(標高の高いところから)
 花は切って(はさみを使いましょう)袋に入れて持ち帰り、燃えるゴミに出します。
 花のついていない茎は抜きます。
 (放置してもよい場所ならそのまま。そうでない場所ならポリ袋に入れて持ち帰ります。袋を閉じて腐らせるか、燃えるゴミに出します。)

 花が咲く前に抜き取るのが一番です。花の時期に葉をよく見て覚えてほしいと思います。

ノジスミレ 今年はたくさん出会いました

執筆 菅村定昌   掲載 2017年04月23日 21時58分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ノジスミレ スミレ科



 畑がたくさん広がっている場所で畑と畑をつなぐ細い道、そんなところでよくノジスミレを見ました。車を止めて、畑に近づいていくと細い道沿いに必ずといってよいほどノジスミレに出会えました。それが、いつの頃からか、ノジスミレに出会わなくなりました。不思議だなあと思いました。そんな頃『京都府レッドデータブック2002』でノジスミレが準絶滅危惧種になっていることを知りました。「京都はそんななの?」と驚くと共に、「豊岡近辺も少なくなったよなあ。」と思いました。




 さて、このノジスミレ『京都府レッドデータブック2015』では、めでたいことに絶滅危惧種ではなくなりました。これが、増えたのか、調査不足だったのがたくさん発見されたのかは、分かりません。




 但馬においてもここ数年でよく見るようになったのは私の実感です。特に今年は至るところで見ました。
 例えば、コウノトリ市民研究所の4月の田んぼの学校「タンポポなど春の草」でたくさん見ました。十年以上に渡って毎年同じコースで実施しているのですが、ノジスミレを見たのは今年が初めてです。一番身近にあったんだと拍子抜けしました。




 田んぼの学校で、どうしてこれまで見つからなかったのか? それは、時期が関係しているのだと思います。例年、スミレは見つかっていましたが、ノジスミレは見つかっていません。今年は逆でした。ノジスミレはスミレより早く咲きます。他のスミレたちが結構長くだらだらと咲き続ける中でノジスミレは短期集中で咲き終わるようです。しかも、周りの草が一気に大きくなってノジスミレを隠してしまいます。今年は大雪で春が遅かったので例年ならスミレの時期なのにノジスミレが咲いていたのだと思います。毎年、花の終わったノジスミレは草に埋もれて目立たなくなって私や子どもたちに気づかれずに来た。と、まあ、こんなことを考えています。



 ノジスミレは、スミレとよく似た茎のないスミレです。スミレとの違いは、葉や花の柄に白い短い毛が多いことです。スミレは無毛です。ノジスミレは花を正面から見ると花の中に毛が生えていませんが、スミレは中央付近の左右に毛が生えています。花の形も少し違っていてスミレが整った形をしているのに対して、失礼な表現ですが「だらしない感じがする」などと図鑑に書かれていたりします。

 コウノトリの郷公園の近くの農地や駐車場には、茎のないスミレとしては他に小型のヒメスミレと白い花を咲かせるアリアケスミレが生えています。山に入るとシハイスミレが生えています。

ノビル

執筆 稲葉一明   掲載 2017年04月02日 12時13分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ノビル   ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属Allium macrostemon
(野蒜)




円山川の河川敷に生えている。
ネギに近い植物で千切ってみると強い葱臭がする。時に大きな群落を形成する。
葉は空洞であるが断面は三角。土の中の白い部分は球根型に膨らみ、小さならっきょうのようである。


春先のノビルをさっと湯がいてお浸しで食べると、とてもコク、甘味良好で、野趣に富んで美味しい。同じく円山川の河川敷ではネギに近いアサツキも採取できるのだが、こちらの方がより柔らかく味もさわやかで、さらに扱いやすいので、これまで私はもっぱらアサツキの方を好んで採取していた。


野生動物写真家で著名な宮崎学氏が「ギョウジャニンニクを醤油漬けにすると大変おいしい。」とおっしゃっていたのを思い出し、ノビルでしてみてはどうかと、今回やってみた。すると、予想以上に美味である。



シャキシャキした歯ごたえと、ニンニクよりも穏やかな風味、わずかに残るネギ類の辛味。ちなみに市販の九条ネギの白い部分を同様に醬油漬けにして比べてみたが、ネギの辛味が残り、歯ごたえ、甘味、風味どれもノビルと比べて落ちる。



ノビルで厄介なのは、収穫後の調整作業。つまり泥を落としたり、古くなった外皮や黄色くなった葉先を取り除いてきれいにする作業である。採取現場では、まず、移植ゴテを株の周りに差し込み、株ごとごっそりと掘り取る。



次にノビルを一本づつ分けていき、できるだけ球根の大きなものを選抜する。細いものは埋め戻す(資源保護の面からも重要)。土をできるだけ払い落として、緑の葉の部分は大胆に半分くらい切り落としてから持ち帰る。



キッチンで水洗いし、古い外皮を取り除き、根を切り落とす。ここまでの作業は結構面倒であるが球根部を利用するのであるから仕方がない。あとは適当に切って瓶に入れてしょうゆを注げば、半日もすれば馴染んでくる。



ご飯に載せて食するととてもよく合い最高クラスのご飯の友となる。チャーハンに入れたり、中華の薬味とか、様々な利用方法が思いつく。また、漬け込んだ醤油も調味料に使える。保存もできるし、山菜メニューの新たな定番となりそうである。



円山川河川敷のノビルは、洪水対策の河川改修により表土がめくられることにより、その場所では壊滅的打撃を受ける。しかし、それは一時的なもので、私がフィールドとしていた場所については、徐々に回復してきている。河川敷は広大で、おそらく資源量は豊富と言って良いと思う。山菜としての採取が少々広まっても問題ないと考えている。

なお、ネギの仲間は、分類ではユリ科と思っていたが、近年はヒガンバナ科とされているようである。

マルバスミレ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年03月20日 21時21分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
マルバスミレ スミレ科



 数年前にコウノトリ文化館でスミレの企画展をしました。このスミレの写真はスライドでしかありませんでした。ということは、20年ほど前に撮ってそれ以後写真を撮っていないということになります。当時、但馬の高い山を通る林道に車を止めて林縁の崩れかけたところに入るとわりと簡単に見ることができたと思います。なので、特別に珍しいスミレとは思っていませんでした。



 2015年に『近畿地方のスミレ』という本が出ました。マルバスミレのところを読んでみると減少率が最も高く、滋賀県では絶滅した可能性が高いと書かれていました。そこで、一昨年にかつて見た場所を訪れてみました。4カ所回りましたがどこにもありませんでした。やっぱり減っているんだなと思いました。



 昨年、別のスミレを見るついでにかつてあった場所の周辺を見て回りました。
 ありました。かたまっては生えていませんが、離ればなれに百以上の個体がありました。少し離れたところにももう一群落ありました。どんな場所に生えているかも思い出しました。今年は、ちょっとまじめに探してみたいと思います。



 主に太平洋側の内陸側に生育するそうですが、但馬にも生育します。葉が丸いことからマルバスミレという名前になっています。4月下旬から5月中旬にかけて白い目立つ花をつけます。茎や葉や距にも毛が生えています。


一番上へ
サイドナビ
サイトマップ