ヤブサメ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年05月18日 14時45分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ウグイス科の渡り鳥で、但馬には繁殖のために4月になると南の越冬地から戻ってきます。ウグイス科の鳥はどれも地味な色で薮の中に潜み、姿を見る機会の少ない小鳥です。本家のウグイスも、「ホーホケキョ」の鳴き声はすぐに分かっても、どんな姿をしているか知っている人は少ないでしょう。花札の「梅に鶯」のウグイス色の鳥? 残念でした。梅の蜜を吸いに来るウグイス色の鳥はメジロです。

ウグイスはこの写真に似た鳥ですが、今回紹介しているのはヤブサメという同じ仲間の鳥です。ウグイスは一年中日本にいますが、ヤブサメは渡り鳥です。ウグイス同様、ヤブサメを確認する最も確実な方法は鳴き声を聞くことです。


「シシシシシ」と同じ音の連続音を繰り返します。この「シシシシシ」の周波数は8kHzから10kHzと非常に高く、加齢とともに落ちてくる聴力では聞き取れない高齢者も多いのは、仕方のないことではあります。

姿の特徴は2つあります。
(1)尾羽が短い
(2)眉斑が太く明瞭

近くで鳴き声が聞こえたら、静かにじっと動かずしばらく待っていると、藪の中からひょっこり飛び出してくるヤブサメに出会えるかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ヒキガエルの卵塊〜オタマジャクシ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年04月30日 10時24分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ニホンヒキガエル(アズマヒキガエル)        
無尾目 ヒキガエル科



 3月、豊岡市内のとある山際の湿地で、ヒキガエルの卵塊を見つけました。主に山地に棲んでいるカエルで、春先に産卵します。早春に山歩きをされた人は、山中の湿地などで見たことがあるかもしれません。ヒキガエルは俗称「ガマ」とか「ガマガエル」とも呼ばれています。種名としてはニホンヒキガエルですが、但馬地方に分布しているのは亜種アズマヒキガエルとされています。鼓膜の大きさに違いがあるようです。
卵塊はこのように長いチューブ状です。これがヒキガエルの特徴でもあります。3月12日に撮影しました。



 この画像と、以下3枚は3月23日に撮影しました。ふ化してオタマジャクシになったばかりです。


 水中を覗いてみます。おびただしい数の黒い物体。これ全てオタマジャクシです。


 この頃はあまり動きません。


 接写しました。まだオタマジャクシらしい形にはなっていません。この段階では外鰓(エラ)があるのがわかります。







 この3枚は4月20日に撮影しました。2〜3センチほどの大きさになっていました。盛んに泳ぎ回っています。
 今回は卵塊だけでしたが、できれば来年は産卵中の様子も撮影してみたいところです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ノビタキ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年04月14日 15時14分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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過去にもここに何度か登場した野鳥ですが、この時期の鳥の話題に欠かせないのがノビタキです。スズメより小さいヒタキ科の鳥で、中国の南東海岸沿いで越冬した群れが、いま一斉に北の繁殖地めざして移動中です。

シベリアや、日本では中部以北、特に北海道が繁殖地としてよく知られています。但馬地域ではノビタキが繁殖地と越冬地の間を行き来する途中、一時的に観察できる「旅鳥」と呼ばれる渡り鳥グループです。但馬では4月と10月に2週間ほど見られます。


春の渡りで見るノビタキのオスは、この写真のとおり黒頭巾の羽根模様です。繁殖期はこのような目立つ羽根に代わってメスを呼びます。繁殖を終えた秋の渡りでは、オスはメスとほとんど同じ羽根模様になっています。

田んぼの水路沿いでよく見かけ、羽虫や毛虫などを食べて栄養補給し、次の中継地へ飛び去ります。


1羽のノビタキの右脚に、アルミ製の標識リングが付いているのを見つけました。小さなリングには、標識調査をした場所や時期の情報が刻印されています。今回の観察では、リングの刻印が明瞭に判別できる距離まで鳥が近寄ってくれませんでした。写真を拡大してみると、どうやら韓国の国名が刻印されているようでした。日本で鳥類の標識調査を実施している山階鳥類研究所に今回の写真を添えて問い合わせ中です。

韓国でリングが付けられたのが昨年の秋だとして、このノビタキが中国の越冬地で過ごしたあと、日本列島を北に向かって旅を続けているのでしょう。小さなリングは鳥の移動経路を教えてくれると共に、彼らの旅物語を私たちに語ってくれます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信



5年ぶりのニホンイトヨ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年03月31日 17時25分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ニホンイトヨ  トゲウオ目 トゲウオ科

 新聞でご覧になった方もあるかと思いますが、今月26日、豊岡市城崎町の「ハチゴロウの戸島湿地」で、ニホンイトヨという魚の生息が確認できました。円山川水系で確認されるのは5年ぶりです。環境省レッドリストでは「絶滅のおそれのある地域個体群:LP」、兵庫県レッドリストでは、絶滅の危機に瀕しているなど、緊急の保全対策が必要な「Aランク」に指定されています。かつては豊岡盆地でも何か所かで姿を見ることができたようですが、近年激減しています。但馬では円山川水系の他に、新温泉町の岸田川でも生息の記録があります。
 ニホンイトヨは春、海から川へ遡上して産卵します。ふ化した稚魚は海へ下り、翌年成魚となって川に遡上して繁殖します。流れのゆるやかな小川で産卵をします。湧き水のある場所を好むようです。川に堰堤などがあると遡上できないので、繁殖のためには海との連続性のある環境が必要です。かつては「イトヨ日本海型」と呼ばれていました。
 ハチゴロウの戸島湿地の管理運営をされているNPOコウノトリ湿地ネットさんが、数年前からこの時期に調査をされています。私も調査に加わっていまして、今年ようやく姿を見ることができました。




背びれには棘があります。トゲウオ科魚類の特徴でもあります。


地方によっては、「トゲサバ」と呼ぶそうです。胴体後部を見ると、細い尾の付け根や銀色の体色がサバに似ています



 早く手を打たなければ、ニホンイトヨは但馬からは絶滅してしまうかもしれません。それを防ぐためには、湧き水のある小川と、海の間を魚が自由に行き来できる環境を取り戻すなどの取り組みが必要です。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

マガンとヒシクイ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年03月16日 13時14分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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今冬豊岡盆地で越冬した3羽のコハクチョウに加え、2月の大雪の頃にはマガンとヒシクイが豊岡盆地に飛来しました。積雪量が特に多かった福井県北部から石川県の越冬群のうち、一時避難のため南下してきたグループと思われました。

マガンは34羽が、ヒシクイは4羽が1週間ほど滞在したあと豊岡を離れました。


豊岡盆地に飛来するマガンは、コハクチョウと共にごく少数が越冬するくらいで、多くは渡りの期の一時立ち寄り時の観察です。渡りグループは数羽から10数羽の家族単位の集まりで、今回のように34羽という大きな群れを観察することはまれです。

大きな群れが上空を飛ぶ様子はまさに「鉤になり竿になり」で、形を変えながら編隊飛行を続ける様子はダイナミックで美しいものでした。


飛来した4羽のヒシクイのうち3羽は亜種オオヒシクイで、1羽が亜種ヒシクイでした。オオヒシクイの方が少し大きく、このあたりでは亜種ヒシクイの方が希少です。


ヒシクイの観察はいつもそうですが、マガンやコハクチョウに比べて警戒心がつよく、近づこうと離れた場所から少し動いただけでも飛び立ってしまいます。この写真も警戒されて飛び立ったところですが、左から2番目の個体が残りの3羽より小さく、亜種ヒシクイだと識別することができます。

生まれ故郷のシベリアから北極海沿岸にかけて、彼らは長い帰り旅を続けます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信




ヒラメ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年02月28日 12時42分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ヒラメ   カレイ目 ヒラメ科

 1枚目の写真にはヒラメが隠れています。判るでしょうか。尾鰭だけは隠れずに出ています。この尾鰭が出ていなければ、私も気付かずに通り過ぎていました。隠れ切っていなかったのでカメラに収めることができたのです。よく見ると、手前の方には眼もみえます。
 ヒラメはほとんどの人が知っている海水魚です。ただ、生きている姿を見る機会はそんなに多くはないでしょう。他のカレイの仲間と同じく、砂底に生息しています。体の色や模様も砂と同じです。肉食性で小魚などを食べています。カレイの仲間では口が大きく、歯も鋭いです。





 近づいてきた私を警戒したのか、泳ぎ出て行きました。昼間は砂底に潜っている事が多いです。これらの写真は竹野海岸で撮影しました。あまり深くない、2メートルより浅い場所です。


 この写真は川の生きもの調査で採集した時のものです。体長10センチほどの若い個体です。「川にヒラメ?」と思われるかもしれませんが、塩分があれば川の下流域などにのぼってきます。円山川では河口から数キロ上流にのぼってくることもあるようです。
 
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

サビハゼ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年01月31日 12時38分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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サビハゼ  スズキ目 ハゼ科

 ハゼの仲間はとてもたくさんの種類がいます。今回紹介するのは海岸近くの砂底に生息しているサビハゼです。名前の由来は、体の模様が金属にういた錆のように見えるからだそうです。大きさは10センチほどです。キス釣りなどで釣れることもあるようです。


 これらの写真は竹野海岸で撮影しました。水深3〜5mくらいのところです。あまり浅いところにはいないようなので、足が届く場所ではあまり見ることができないかもしれません。稚魚の頃は群れでいるようですが、大きくなると単独でいます。スノーケル中とかに砂底に目を凝らしていると、時々見つけることがあります。


 真ん中のあたりにいるのが分るでしょうか。体の模様が砂底に溶け込むので、じっとしていると見落としてしまいがちです。


 ヒゲが特徴のサビハゼ。下顎にヒゲがたくさん生えています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

アオジ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年01月19日 15時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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荒れ地や河川敷のそばを通るとき、草やぶの中から「チッ・チッ」という高い声で短く鳴く鳥の気配を感じることがあります。このような生息環境を好む鳥の代表はホオジロ科の仲間です。ホオジロは一年中このような場所で生活していますが、越冬のために北から渡ってくるホオジロの仲間も何種類かいます。

今回紹介するアオジも、冬の間に見られるホオジロ科の鳥です。草やぶの中からなかなか出てこない鳥ですが、しばらく観察を続けるとひょっこり地上の目立つ茎や枝に出てくることがあります。


緑黄色のお腹がよく目立つアオジですが、冬の間は少し地味目な羽根色になっています。この写真はアオジのメスですが、オスに比べて全体的にコントラストが弱く、オスのような目先の黒色もありません。


春になると北の繁殖地に帰って行きます。その頃には、コントラストがより強い夏羽に換羽し、美しい姿に変身しています。写真は春の渡り時の夏羽のアオジです。

アオジは兵庫県レッドデータのAランクに指定されています。冬の平地で普通に見られる野鳥が、どうしてAランクの希少種なのでしょう。どうやら、繁殖個体群として兵庫県が南西限になっていることがその理由のようです。春になればアオジはみんな北に上がってしまうと思っているのが、ひょっとしたら、但馬の山地でひっそり繁殖しているのかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

カサゴ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年12月31日 10時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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カサゴ   スズキ目メバル科

 カサゴは磯の浅場など、岸近くに棲んでいる海水魚です。ガシラとも呼ばれており、そちらの名称を耳にする事が多いかもしれません。磯釣りでよく釣れます。同じカサゴの仲間で、よく似たウッカリカサゴという種類がいます。そちらは沖の方の深いところに棲んでいますが、カサゴは浅場に棲んでいます。以前はカサゴ目フサカサゴ科に分類されていたのですが、近年ではスズキ目メバル科に変更されました。スノーケルをしていると、岩や海藻の陰でじっとしている姿をよく見ます。体の色は赤みがかった褐色ですが、海中では赤い波長の光が届きにくいので、深いところで見ると赤みが消えて周りの色に溶け込んでいます。1枚目の画像と最後の画像を比べてみてください。



 このように岩の隙間などに隠れていることが多いですが、張り出した岩の上に乗っていることもあります。


 頭部が大きく、口も大きいです。肉食性でして、この大きな口でエビや小魚などの水生動物を捕まえて食べています。




 こちらは水深10メートルくらいの場所で撮った写真です。岩の上や隙間にいる姿はよく見るのですが、なぜかこの深さでは砂底の上でじっとしていました。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

チョウゲンボウ成鳥オス

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年12月15日 16時32分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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冬の猛禽類の中でも、ノスリとチョウゲンボウは農地や河川敷でよく見かける種です。チョウゲンボウはスリムな体に長い尾が特徴のハヤブサ科の鳥です。

飛来するチョウゲンボウはメスタイプと呼ばれる、全身茶色の羽根をした個体がほとんど。メスとオス若鳥がこの羽色をしています。


飛来数の少ない成鳥オスが、今シーズンは、数羽、豊岡盆地内で観察されています。メスタイプと違い、頭と尾が灰色をしています。また全体に赤っぽい茶色で、コントラストが強く美しい外観です。


光を透かした尾羽が広がると、黒い横斑がくっきり浮かび上がって鮮やかです。


チョウゲンボウに限ったことではありませんが、白っぽい猛禽類はカラスに常に追われます。チョウゲンボウがハシボソガラスに追われるこの写真で、チョウゲンボウの大きさを理解することができるでしょう。

チョウゲンボウは、初冬まではバッタをよく捕食しますが、これから向かう厳冬期には、小鳥を襲って食べます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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