クロジ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年09月15日 13時06分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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クロジという鳥がいます。ご存知でしたか? 兵庫県レッドデータBランクの希少種。漢字で「黒鵐」と書き、「黒字」ではありません。ホオジロ科の鳥で、同じ仲間のアオジは冬の間、平地の笹薮でよく見かける鳥なのに対し、クロジは夏の山の上でないと観察できない鳥です。ちなみに、「赤字」という鳥は存在しません。


写真で見るとおり、黒い色をした超地味目な鳥です。クロジの姿を開けたところで見ることはほとんどなく、山の笹薮の中から聞こえる特徴的な囀りで、その存在を知ることができます。高く「ホ〜イ・チョイチョイチョイ」と鳴く声の主が、このクロジです。


長い間、野鳥観察を続けてきて、この夏ようやくクロジの姿を写真に収めることができました。明るいところでもこのように地味ですから、これが藪の地面近くに潜んでいれば、まず姿を見つけることは困難でしょう。

クロジは山で繁殖している期間、虫を食べて暮らしており、秋以降は暖かい地方に移動して植物の種子などを食べる雑食性の鳥です。ひょっとしたら、冬の但馬の里山周辺にもひっそり潜んでいるかも知れませんね。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

シモフリシマハゼ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年08月31日 13時14分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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シモフリシマハゼ   スズキ目 ハゼ科

 あまり聞きなれない名前の魚かもしれません。シモフリシマハゼは汽水域に住んでいるハゼの仲間です。大きさは10cmほどになりますが、5cmくらいのものをよく見ます。名前のとおり、縞模様が目立ちます。円山川では城崎あたりに多いようです。川岸の石の隙間などに住んでいます。


 こちらが近づくと、石積みの隙間に入っていきました。撮影した川岸は、石積みで護岸がされています。もしコンクリート護岸であれば、シモフリシマハゼは住んでいなかったかもしれません。雑食性でして、エビなどの水生動物の他、藻類なども食べるようです。


 2匹います。円山川の下流部には、割と多く住んでいるようです。


 水が澄んでいる時であれば、上から眺めていても見つけることができます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

アオバズク

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年08月11日 14時34分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アオバズクはフクロウ科の鳥で、日本には夏鳥として東南アジアの国から繁殖のために戻ってきます。青葉のしげる頃、日中でもその姿が観察されることからの命名でしょう。

夜行性で、フクロウがネズミを中心とする小型哺乳類を捕まえるのに対し、アオバズクは昆虫を捕まえて食べています。フクロウは「ホーホー・ゴロスケホッホ」と低く鳴き、アオバズクは「ホーホーホーホー」と連続的に高く鳴きます。


アオバズクの繁殖地として、人里の神社杜がよく選ばれますが、神社にはケヤキの古い巨木が立っていて、長い年月のうちに樹洞があき、その穴をフクロウの仲間が巣として利用するのに適しているからです。神聖な場所なので、眠っている日中、人々の喧騒もありません。


豊岡市内の神社で観察したアオバズク。両親に守られて枝に止まる未熟なヒナが1羽いるだけで(通常2・3羽が巣立ちます)、しかもヒナの左目がつぶれていました。親鳥が子育て中にテンなどの天敵動物に巣を襲われたのかも知れません。怪我をしながら生き残った1羽が親鳥の世話を受けているといった状況にみえました。

秋になるとアオバズクはまた南の国々に渡って行きますが、さて、この幼い子は、無事に飛んで行けるのでしょうか。それとも別の運命が待ち受けているのでしょうか。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

アナグマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月30日 21時44分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アナグマ   食肉目 イタチ科

 アナグマは名前に「クマ」とついていますが、クマの仲間ではありません。タヌキに間違われる事もありますが、タヌキの仲間(イヌ科)でもありません。姿からは想像しにくいのですが、イタチの仲間・イタチ科に分類される動物です。ムジナとも呼ばれています。タヌキをムジナと呼ぶ地域もあるようですが、大抵の場合、ムジナというとアナグマのことをさします。その名前の通り、地面に穴を掘って巣をつくります。


 地面を掘っている写真です。ミミズでも探しているのでしょう。雑食性で、虫やカエル、果実などを食べます。中でもミミズを好んで食べるようです。この写真は蘇武岳付近の林道で撮影しました。山地から里山にかけて広く生息しています。兵庫県では準絶滅危惧種に指定されていますが、近年よく姿を見るようになりました。


 2頭が一緒に歩いているところに遭遇しました。メス親と子どもは群れをつくるようです。この2頭も家族なのでしょう。


 警戒心が薄いのか、肝が据わっているのか、人間が近づいても逃げないことがあります。この写真は5メートルほどの距離で撮影しました。こちらから近づいたのではなく、アナグマから近づいてきました。ただ、気性が荒く、あまり近づくと怒ってくることもありますので、見かけてもあまり近寄らず、距離をあけて観察した方がいいでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤマドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月13日 13時12分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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早朝に林道を走ると、ヤマドリと出会うことがあります。普段は林床の藪の中に潜んでいますが、朝は開けた場所に出て来て活発に動いています。

キジ科の鳥ですが、平地で暮らすキジと違って、オスの羽根色は赤銅色をしています。尾羽もキジより長く、林道で何度出会ってもその美しい姿に惹かれます。


こちらの写真はヤマドリのメスです。オスに比べて尾羽が短く、全体的に羽色は地味で目立ちません。木の根元の地面に簡素な巣を作り、産卵後は引き続きメスだけが卵を温めます。メスが地味な茶色の羽根を持つのは、地面で抱卵しているのを巧みにカムフラージュするためです。


前回ヤマドリと出会ったエリアを再訪すると、切り株の上でオスが存在感をアピールしていました。赤い色は遠くから肉眼でもよく見え、長い尾を引くその堂々とした姿は、太古の恐竜を思い起こさせました。

ヤマドリは日本の固有種です。日本の国鳥であるキジよりも、日本に似合う野鳥のように思います。山に生息するクマタカなどの猛禽類に捕食される運命も背負っています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

サワガニ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年05月31日 12時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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サワガニ   十脚目 サワガニ科

 サワガニは山地の渓流など、水が冷たくてきれいなところに住んでいる淡水性のカニです。山地の多い但馬では目にした方も多いでしょう。
 但馬の川などの淡水域には、海から近い下流域ではアカテガニやクロベンケイガニといったカニが住んでいますし、下流域から中流域にもモクズガニというハサミに毛の生えたカニが住んでいます。同じ淡水性でも、サワガニはそれらのカニとは大きな違いがあります。
前者のカニは川に住んでいますが、繁殖期には海へ下り、親ガニはとても小さな幼生を海へ放します。幼生はしばらくの間、海でプランクトンのように漂って生活を送ります。それに対してサワガニは海へ下ることなく、一生を淡水で過ごします。卵からふ化した時にはカニの姿をしています。



 普段は水辺に住んでいますが、雨の日には水から離れて森林内を歩いていることがあります。この写真のように、山道で見かけることもあります。


 地面に生えている草を食べています。雑食性で、昆虫やミミズ、藻類など色んなものを食べます。


 ハサミを上げて威嚇しました。サワガニはハサミで雌雄を見分けることができます。オスのハサミは左右のどちらかが大きいのですが、メスは左右同じ大きさです。




 水中での写真です。昼間は石の下に隠れていることがほとんどで、この写真も石をひっくり返して見つけた個体です。
 近年、サワガニは生息数が各地で減少傾向にあります。但馬においても以前と比べて見ることが少なくなったと感じます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

コマドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年05月17日 13時11分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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コマドリはヒタキ科の夏鳥で、但馬の山地でも繁殖をしています。コマドリの観察適期は渡りの移動時期。毎年、豊岡市内の山麓の沢沿いが、私たち仲間の観察ポイントです。多くのコマドリは1週間ほどで通過を終えてしまいますが、一部はその周辺で繁殖しているようです。


橙色の頭部が美しく、クリッとした黒い目が愛らしいです。コマドリは漢字で「駒鳥」と書きます。鳴き声が馬のいななきのように「ヒン・カラララ」と聞きなされることに由来します。


地表を徘徊しながら虫を捕って食べます。朝の気温が上がる時間帯になると、沢に下りて来て湧き出る羽虫をしきりに捕まえます。

地表に餌となる虫が豊富であることが、コマドリ生息にとって大切な要件ですが、増えすぎた野生鹿が里山の林床を丸裸にしてしまうため、産卵場所や食草を失った虫たちが激減しています。コマドリをはじめ、但馬の森で子育てを続けてきた夏鳥たちにとって、暮らしづらい場所になってしまったのが残念です。

アカギツネ(ホンドギツネ)

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年04月30日 07時12分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アカギツネ   食肉目 イヌ科

 野生のキツネに出会ったことがあるでしょうか。夕方、山沿いの畑などを散歩していると、姿を見ることができるかもしれません。日本列島に生息しているキツネはアカギツネと呼ばれる種類です。ユーラシア大陸や北アメリカ大陸など北半球に広く生息しています。そのうち、日本列島の本州から南に生息するものは亜種ホンドギツネ、北海道に生息するものは亜種キタキツネと区別されることがあります。


 森林環境と農地が入り混じっている所が好きなようでして、見るとすれば山沿いの農地が多いです。また、豊岡周辺などでは、円山川の河川敷でも時々姿を見ます。警戒心が強い動物でして、人間が近づくとすぐに逃げてしまいます。これらの写真を撮る時も、100メートルほど離れてじっとして撮りました。




 時々、周辺の様子を伺いながら行動しています。肉食が中心でして、野ネズミや野ウサギ、カエル、昆虫などを食べます。また、カキなどの果実も食べます。ここは田んぼと湿地が多い場所でしたので、カエルでも探していたのかもしれません。




 何か獲物をとらえたようです。咀嚼していました。お腹の部分をよく見ると、乳房が大きくなっているのがわかります。おそらく子育て中の母ギツネなのでしょう。ちょうど今、子育ての季節です。子が大きくなってくると、親子で行動するようになります。もし親子ギツネの姿をカメラに収めることができれば、またこの場で紹介しようと思います。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

オカヨシガモ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年04月12日 14時20分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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但馬で冬を過ごしたカモの多くは、すでにシベリアや北極圏の繁殖地へと帰って行きました。まだ残っているものも、これから北を目指し旅立つでしょう。カモが少なくなった水辺では、これまで多くのカモの中に紛れて目立つことのなかった種に観察の目が向きます。今回紹介するオカヨシガモも、そのひとつです。

カモはオスの方が綺麗な羽根を持ち、メスは茶色の地味な色をしているものがほとんどです。上の写真はオカヨシガモのペアで、手前がオスで奥がメスです。どうでしょう、ずいぶん地味なオスですね。オカヨシガモの識別で一番よく目立つのが「お尻の黒」です。尾羽の付け根の上尾筒と下尾筒が黒いのです。


オスが伸び上がったシーンです。頭頂部と喉に淡く赤い色が混じります。胸はウロコ模様です。翼の翼鏡が白いのもオカヨシガモの特徴です。


汽水域の閉鎖湿地で、水中の植物を逆立ちして採食していました。逆立ちするとオレンジ色の脚がよく目立ちます。

オカヨシガモは派手なところはないですが、ベテランバーダーにはその渋い魅力が人気となっています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

動き出したシマヘビ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年03月31日 22時21分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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シマヘビ   有鱗目 ナミヘビ科

 ようやく春らしくなってきました。昨日3月30日、今年初めてヘビを見ました。大きなシマヘビです。気温が高かったのでヘビたちもそろそろ動き始めたようです。ヘビと聞くと、「怖い」「気持ち悪い」といったイメージが多いかもしれませんが、日本に生息するヘビは性質がおとなしい種が多いです。が、このシマヘビは少し気が荒いようでして、うかつに触ろうとすると怒ってきます。ですが、毒はありません。


 この個体は平均的な体色のシマヘビです。時々「カラスヘビ」と呼ばれる真っ黒な黒化型もいます。



 ヤモリを除くトカゲの仲間には瞼がありますが、ヘビの仲間は瞼がありません。そのかわり眼は透明な鱗で覆われています。ヘビの眼をまじまじと眺めた方は少ないかもしれませんが、シマヘビは本州に住むヘビの中では鋭い目つきです。
 ヘビの仲間はすべてが肉食です。シマヘビはトカゲ・カエル・ネズミ・小鳥などを食べますが、カエルを好んで食べるようです。そのためか、田んぼの近くでよく姿を見ます。ヘビが多い地域は、餌となる小動物がたくさん生息している豊かな自然環境と考えることができるかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

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