アナグマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月30日 21時44分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

アナグマ   食肉目 イタチ科

 アナグマは名前に「クマ」とついていますが、クマの仲間ではありません。タヌキに間違われる事もありますが、タヌキの仲間(イヌ科)でもありません。姿からは想像しにくいのですが、イタチの仲間・イタチ科に分類される動物です。ムジナとも呼ばれています。タヌキをムジナと呼ぶ地域もあるようですが、大抵の場合、ムジナというとアナグマのことをさします。その名前の通り、地面に穴を掘って巣をつくります。


 地面を掘っている写真です。ミミズでも探しているのでしょう。雑食性で、虫やカエル、果実などを食べます。中でもミミズを好んで食べるようです。この写真は蘇武岳付近の林道で撮影しました。山地から里山にかけて広く生息しています。兵庫県では準絶滅危惧種に指定されていますが、近年よく姿を見るようになりました。


 2頭が一緒に歩いているところに遭遇しました。メス親と子どもは群れをつくるようです。この2頭も家族なのでしょう。


 警戒心が薄いのか、肝が据わっているのか、人間が近づいても逃げないことがあります。この写真は5メートルほどの距離で撮影しました。こちらから近づいたのではなく、アナグマから近づいてきました。ただ、気性が荒く、あまり近づくと怒ってくることもありますので、見かけてもあまり近寄らず、距離をあけて観察した方がいいでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤマドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月13日 13時12分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

早朝に林道を走ると、ヤマドリと出会うことがあります。普段は林床の藪の中に潜んでいますが、朝は開けた場所に出て来て活発に動いています。

キジ科の鳥ですが、平地で暮らすキジと違って、オスの羽根色は赤銅色をしています。尾羽もキジより長く、林道で何度出会ってもその美しい姿に惹かれます。


こちらの写真はヤマドリのメスです。オスに比べて尾羽が短く、全体的に羽色は地味で目立ちません。木の根元の地面に簡素な巣を作り、産卵後は引き続きメスだけが卵を温めます。メスが地味な茶色の羽根を持つのは、地面で抱卵しているのを巧みにカムフラージュするためです。


前回ヤマドリと出会ったエリアを再訪すると、切り株の上でオスが存在感をアピールしていました。赤い色は遠くから肉眼でもよく見え、長い尾を引くその堂々とした姿は、太古の恐竜を思い起こさせました。

ヤマドリは日本の固有種です。日本の国鳥であるキジよりも、日本に似合う野鳥のように思います。山に生息するクマタカなどの猛禽類に捕食される運命も背負っています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

サワガニ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年05月31日 12時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

サワガニ   十脚目 サワガニ科

 サワガニは山地の渓流など、水が冷たくてきれいなところに住んでいる淡水性のカニです。山地の多い但馬では目にした方も多いでしょう。
 但馬の川などの淡水域には、海から近い下流域ではアカテガニやクロベンケイガニといったカニが住んでいますし、下流域から中流域にもモクズガニというハサミに毛の生えたカニが住んでいます。同じ淡水性でも、サワガニはそれらのカニとは大きな違いがあります。
前者のカニは川に住んでいますが、繁殖期には海へ下り、親ガニはとても小さな幼生を海へ放します。幼生はしばらくの間、海でプランクトンのように漂って生活を送ります。それに対してサワガニは海へ下ることなく、一生を淡水で過ごします。卵からふ化した時にはカニの姿をしています。



 普段は水辺に住んでいますが、雨の日には水から離れて森林内を歩いていることがあります。この写真のように、山道で見かけることもあります。


 地面に生えている草を食べています。雑食性で、昆虫やミミズ、藻類など色んなものを食べます。


 ハサミを上げて威嚇しました。サワガニはハサミで雌雄を見分けることができます。オスのハサミは左右のどちらかが大きいのですが、メスは左右同じ大きさです。




 水中での写真です。昼間は石の下に隠れていることがほとんどで、この写真も石をひっくり返して見つけた個体です。
 近年、サワガニは生息数が各地で減少傾向にあります。但馬においても以前と比べて見ることが少なくなったと感じます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

コマドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年05月17日 13時11分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

コマドリはヒタキ科の夏鳥で、但馬の山地でも繁殖をしています。コマドリの観察適期は渡りの移動時期。毎年、豊岡市内の山麓の沢沿いが、私たち仲間の観察ポイントです。多くのコマドリは1週間ほどで通過を終えてしまいますが、一部はその周辺で繁殖しているようです。


橙色の頭部が美しく、クリッとした黒い目が愛らしいです。コマドリは漢字で「駒鳥」と書きます。鳴き声が馬のいななきのように「ヒン・カラララ」と聞きなされることに由来します。


地表を徘徊しながら虫を捕って食べます。朝の気温が上がる時間帯になると、沢に下りて来て湧き出る羽虫をしきりに捕まえます。

地表に餌となる虫が豊富であることが、コマドリ生息にとって大切な要件ですが、増えすぎた野生鹿が里山の林床を丸裸にしてしまうため、産卵場所や食草を失った虫たちが激減しています。コマドリをはじめ、但馬の森で子育てを続けてきた夏鳥たちにとって、暮らしづらい場所になってしまったのが残念です。

アカギツネ(ホンドギツネ)

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年04月30日 07時12分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

アカギツネ   食肉目 イヌ科

 野生のキツネに出会ったことがあるでしょうか。夕方、山沿いの畑などを散歩していると、姿を見ることができるかもしれません。日本列島に生息しているキツネはアカギツネと呼ばれる種類です。ユーラシア大陸や北アメリカ大陸など北半球に広く生息しています。そのうち、日本列島の本州から南に生息するものは亜種ホンドギツネ、北海道に生息するものは亜種キタキツネと区別されることがあります。


 森林環境と農地が入り混じっている所が好きなようでして、見るとすれば山沿いの農地が多いです。また、豊岡周辺などでは、円山川の河川敷でも時々姿を見ます。警戒心が強い動物でして、人間が近づくとすぐに逃げてしまいます。これらの写真を撮る時も、100メートルほど離れてじっとして撮りました。




 時々、周辺の様子を伺いながら行動しています。肉食が中心でして、野ネズミや野ウサギ、カエル、昆虫などを食べます。また、カキなどの果実も食べます。ここは田んぼと湿地が多い場所でしたので、カエルでも探していたのかもしれません。




 何か獲物をとらえたようです。咀嚼していました。お腹の部分をよく見ると、乳房が大きくなっているのがわかります。おそらく子育て中の母ギツネなのでしょう。ちょうど今、子育ての季節です。子が大きくなってくると、親子で行動するようになります。もし親子ギツネの姿をカメラに収めることができれば、またこの場で紹介しようと思います。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

オカヨシガモ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年04月12日 14時20分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

但馬で冬を過ごしたカモの多くは、すでにシベリアや北極圏の繁殖地へと帰って行きました。まだ残っているものも、これから北を目指し旅立つでしょう。カモが少なくなった水辺では、これまで多くのカモの中に紛れて目立つことのなかった種に観察の目が向きます。今回紹介するオカヨシガモも、そのひとつです。

カモはオスの方が綺麗な羽根を持ち、メスは茶色の地味な色をしているものがほとんどです。上の写真はオカヨシガモのペアで、手前がオスで奥がメスです。どうでしょう、ずいぶん地味なオスですね。オカヨシガモの識別で一番よく目立つのが「お尻の黒」です。尾羽の付け根の上尾筒と下尾筒が黒いのです。


オスが伸び上がったシーンです。頭頂部と喉に淡く赤い色が混じります。胸はウロコ模様です。翼の翼鏡が白いのもオカヨシガモの特徴です。


汽水域の閉鎖湿地で、水中の植物を逆立ちして採食していました。逆立ちするとオレンジ色の脚がよく目立ちます。

オカヨシガモは派手なところはないですが、ベテランバーダーにはその渋い魅力が人気となっています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

動き出したシマヘビ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年03月31日 22時21分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

シマヘビ   有鱗目 ナミヘビ科

 ようやく春らしくなってきました。昨日3月30日、今年初めてヘビを見ました。大きなシマヘビです。気温が高かったのでヘビたちもそろそろ動き始めたようです。ヘビと聞くと、「怖い」「気持ち悪い」といったイメージが多いかもしれませんが、日本に生息するヘビは性質がおとなしい種が多いです。が、このシマヘビは少し気が荒いようでして、うかつに触ろうとすると怒ってきます。ですが、毒はありません。


 この個体は平均的な体色のシマヘビです。時々「カラスヘビ」と呼ばれる真っ黒な黒化型もいます。



 ヤモリを除くトカゲの仲間には瞼がありますが、ヘビの仲間は瞼がありません。そのかわり眼は透明な鱗で覆われています。ヘビの眼をまじまじと眺めた方は少ないかもしれませんが、シマヘビは本州に住むヘビの中では鋭い目つきです。
 ヘビの仲間はすべてが肉食です。シマヘビはトカゲ・カエル・ネズミ・小鳥などを食べますが、カエルを好んで食べるようです。そのためか、田んぼの近くでよく姿を見ます。ヘビが多い地域は、餌となる小動物がたくさん生息している豊かな自然環境と考えることができるかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ウミスズメ、ウトウ、ミツユビカモメ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年03月10日 11時11分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

2月半ばの竹野浜で、とても珍しい海鳥を間近に観察するチャンスがありました。まずはウミスズメです。チドリ目ウミスズメ科の鳥で、海岸から離れたはるか沖合で海上生活をする仲間です。

今回、浜辺近くに寄ってきたのは理由があります。おそらく、大型魚に追われて浜まで逃れてきたカタクチイワシの大群に、それを餌としている海鳥が一緒に付いてきたのです。


ウミスズメはスズメの名がありますがスズメより大きく、ツグミぐらいのサイズです。黒と白のモノトーンの羽は、夏羽では喉の周辺も黒くなって顔の黒とつながります。夏羽移行中の個体もたくさん見かけました。

潜水採餌をするウミスズメの足は尾羽の真下あたりに小さく付いており、水面を蹴ってすぐに水中に突っ込んで行きます。水中での推進はもっぱら翼を使い、「海の中を飛ぶ」鳥といったイメージがふさわしいです。


ウミスズメの大きな群れに混じっていたのが、沿岸では非常に珍しい観察例になるウトウでした。ウミスズメ科の仲間ですが、ウミスズメより大きくコガモくらいのサイズです。

北海道の天売島がウトウの有名な繁殖地で、北海道周辺の海にいる鳥のイメージが強いですが、今回の観察から、山陰海岸の沖合でもウトウが生息していることを認識させられました。ユニークな顔つきが印象的な海鳥でした。


もう一種、カタクチイワシに付いてきたのがミツユビカモメです。これも沖合で暮らす海鳥で、沿岸で普段目にすることのないカモメです。ウミスズメが潜水採餌するのに対し、カモメは水面近くの小魚をくちばしで捕まえます。

カタクチイワシの群れは徐々に縮小拡散した様子で、1週間ほどでこの騒ぎも収まって行きました。珍しい記録でした。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信



ルリビタキ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年02月26日 18時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

但馬で越冬した渡り鳥たちが、そろそろ北へ帰る準備を始める頃です。そんな冬鳥の中で一際存在感のある「青い鳥」がルリビタキです。冬鳥は赤系の色を持つアトリ科の小鳥が多く飛来しますが、冬の青い鳥は本種以外に思い浮かびません。

ルリビタキはヒタキ科の鳥で、スズメとほぼ同じ大きさ、冬の間は里山周辺で暮らしています。オスの羽根は、この写真のように鮮やかなルリ色で、脇のオレンジ色がアクセントカラー。


こちらはルリビタキのメスです。多くの鳥と同じように、メスは地味な褐色をしています。尾羽の付け根に少し青い色を持っているのと、脇の橙色はオスと共通です。

ルリビタキは普段、林の中にひっそり潜んで姿を見せませんが、餌を求めて出て来るときが観察チャンスです。道路際のウルシの実や、路上の小さな虫を食べにやってきます。


さて、ルリビタキの識別で注意が必要なのは、若いオス個体です。オスは若い間はメスと同じような羽根色をしており、次第に青い羽根に生え変わって行くのです。この写真の個体は、メスに比べて全体的に青っぽい色が滲んでいることでオスだとわかります。

ルリビタキは冬の渡り鳥というより、漂鳥として区分される短い移動を行う鳥です。繁殖期には高い山の中や、少し北のエリアに移動します。但馬の普段の生活範囲では、冬の間でしか観察できない、美しき「青い鳥」なのです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信


トラツグミ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年01月27日 12時39分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

今冬はツグミの数が多いです。年によってはまったく渡って来ないこともあります。里を代表する冬の渡り鳥で、放置された柿の実にたくさんのツグミが寄ってきます。


ツグミの仲間でもトラツグミは一年中いる留鳥です。雪のない季節は山の中や暗い林の中にひっそり暮らしており、しかも夜行性の鳥なので姿を目にする機会はほとんどありません。「ヒーーン・ヒーーン」と長く伸びるか細い声は、日中でも山の中でたびたび耳にすることがあります。

そんなトラツグミも、雪が降ると餌を求めて山から出てきます。この写真は林縁のシロダモの赤い実を食べているところです。


ウルシの実は、いろいろな野鳥の冬の食料になります。ヒヨドリ、シジュウカラ、ツグミ、シロハラ、ジョウビタキなどがよく食べに来ます。トラツグミもやってきました。


雪のない季節、トラツグミは土の中や落ち葉の下をひっくり返して、ミミズや昆虫類を餌にしています。雪が降ると木の実を食べに来ますが、雪の積もっていない湿地を見つけて、湿った泥の中の生きものを探して食べます。

大雪になると、森の生きものたちは餌を求めて人目につく場所に出てきます。冬の野鳥観察は大雪のときこそ出会いのチャンスが増えます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

一番上へ
サイドナビ
サイトマップ