トラツグミ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年01月27日 12時39分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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今冬はツグミの数が多いです。年によってはまったく渡って来ないこともあります。里を代表する冬の渡り鳥で、放置された柿の実にたくさんのツグミが寄ってきます。


ツグミの仲間でもトラツグミは一年中いる留鳥です。雪のない季節は山の中や暗い林の中にひっそり暮らしており、しかも夜行性の鳥なので姿を目にする機会はほとんどありません。「ヒーーン・ヒーーン」と長く伸びるか細い声は、日中でも山の中でたびたび耳にすることがあります。

そんなトラツグミも、雪が降ると餌を求めて山から出てきます。この写真は林縁のシロダモの赤い実を食べているところです。


ウルシの実は、いろいろな野鳥の冬の食料になります。ヒヨドリ、シジュウカラ、ツグミ、シロハラ、ジョウビタキなどがよく食べに来ます。トラツグミもやってきました。


雪のない季節、トラツグミは土の中や落ち葉の下をひっくり返して、ミミズや昆虫類を餌にしています。雪が降ると木の実を食べに来ますが、雪の積もっていない湿地を見つけて、湿った泥の中の生きものを探して食べます。

大雪になると、森の生きものたちは餌を求めて人目につく場所に出てきます。冬の野鳥観察は大雪のときこそ出会いのチャンスが増えます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

コミミズク

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年01月13日 13時27分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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円山川河川敷で、2シーズンぶりにコミミズクを観察することができました。年末の夕刻、ヤナギの枝に止まる大きめの鳥を遠くから目撃して、逆光のシルエットでフクロウだと思いました。識別可能な距離まで寄ってみて、それはフクロウではなく、このあたりで冬鳥のコミミズクだと分かりました。

コミミズクは黄色い虹彩が魅惑的で、白い毛で縁どられた丸い顔面が可愛らしいです。


日が落ちると、河川敷の上を活発に飛び回るようになります。獲物は野ネズミ。かつて、コミミズクのねぐら入りの場所を特定し、そこに落ちていた無数のペリット(未消化物の吐き戻し物)を回収して餌生物を調べたことがあります。出て来た頭骨から、餌はハタネズミであることが分かりました。


暗くなるにつれ、1羽だったコミミズクが2羽になり、この時の観察時には3羽のコミミズクが活発に動き出しました。

但馬で冬の河原を餌場にするフクロウ科はフクロウ、コミミズク、トラフズクの3種類がいます。河原のネズミは、日中はノスリなどのワシタカに狙われ、夜はフクロウの仲間に狙われます。つまり24時間、野ネズミは絶えず命を狙われ続けており、たくさんの野ネズミが住んでいないと、その上位にいる鳥たちも暮らしてゆけないのです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

川虫トビケラの成虫

執筆 上田尚志   掲載 2016年12月21日 10時49分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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コウノトリ文化館のデッキにホタルトビケラの成虫がいました。幼虫は河川上流域の流れの緩い場所に棲み、砂でミノムシのような巣をつくります。成虫は秋に出現します。ここにはババホタルトビケラの生息記録もありますが、大きさからホタルトビケラとしました。ババホタルトビケラは東日本の平地に多く生息する種で、兵庫県ではコウノトリの郷公園でのみ見つかっています。




これはヨツメトビケラ。コウノトリ文化館の上にあるビオトープの横を流れる溝で見つかります。こちらは春に出現し、あちこちの渓流でたくさん飛翔するのが見られます。幼虫は同じような砂の巣をつくります。





ムラサキトビケラは大きく目だつ種類です。これも、文化館のデッキで発見。落ち葉で巣をつくり、里山の緩やかな流れに住みます。

川の中の石をめくると、小さな虫が這いまわります。これはカゲロウとカワゲラの幼虫。トビケラと合わせて代表的な川虫で、淡水魚の餌としても重要です。川に多様な環境があると、川虫も種類と量が多くなります。


               写真(ホタルトビケラ)高橋信  
               写真(ヨツメトビケラ・ムラサキトビケラ)・文 上田尚志

オオハクチョウ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年12月13日 10時40分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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今年の10月22日に、久美浜湾内で1羽のオオハクチョウを見つけました。羽が灰色の幼鳥です。おそらく、渡りの途中、親鳥とはぐれてしまったのでしょう。ときどき空を見上げてコーコーと寂しげに声を上げており、西の越冬地に向かう他の渡り鳥と合流できるよう願いました。


2日後の10月24日のことです。自宅近くの六方川の橋にさしかかったとき、なんと、真下にオオハクチョウ幼鳥がいるではありませんか。久美浜湾で出会ったのと同じである確証はありませんが、直線距離で13Kmしか離れておらず、状況からしても同一個体が飛んできたものと考えました。


六方川には越冬コハクチョウが時々入りますが、オオハクチョウが入ったのは私は初めて見ます。幼鳥とはいいながら、圧倒的に大きな存在感の水鳥です。同じ場所で、一日中、草をむしって食べていました。


夕方には水面に浮かんでまったり過ごしていましたが、翌朝以降、豊岡盆地内でこのオオハクチョウを見かけることはありませんでした。


1ヶ月後の11月21日、久美浜湾沿いの堪水田でオオハクチョウ成鳥2羽の飛来を確認しました。継続観察で、この2羽はここで越冬しそうな気配をみせています。

かつての久美浜湾はオオハクチョウの越冬飛来地として名が知られていましたが、近年はぱったりと来なくなっていました。今回、幼鳥1羽に続いて成鳥2羽が飛来し、オオハクチョウの久美浜湾での越冬も再び定着するかもしれません。

久美浜湾から近い豊岡盆地でも、コハクチョウに次いでオオハクチョウが越冬する可能性も将来的には考えられます。ラムサール条約湿地の円山川下流域が、さらに多様な生物生息環境になってゆけばよいですね。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

越冬前のテントウムシ

執筆 上田尚志   掲載 2016年11月29日 10時23分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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山が紅葉に染まるころ、たくさんのテントウムシが、日当たりのよい岩肌に集まっていることがあります。ここは11月の阿瀬渓谷、見渡す限り、テントウムシだらけです。どこにこんなにいたのかと思うぐらいの数です。テントウムシは成虫で岩の隙間や樹皮の隙間などで越冬します。暖かそうな良い場所を探して集まってくるのかもしれません。



何種類かのテントウムシが混じっているようですが、ここでは2種類が見られました。



いろいろな種類のテントウムシに見えますが、画面は1種類、ナミテントウ(単にテントウムシともいう)です。ナミテントウの斑紋には変異がありまるで別種のように見えます。



中に少し大きなテントウムシがいます。カメノコテントウです。クルミハムシの幼虫を捕食します。但馬の渓谷にはオニグルミがたくさんあるので、カメノコテントウも良く見かけます。

シラガホオジロ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年11月09日 11時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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仲間が六方田んぼで見つけたこの鳥はシラガホオジロといいます。ホオジロ科の鳥で、ロシア北部で繁殖し、冬は中国北東部に渡って過ごすようです。日本では時々迷行個体が観察されるだけの、とても珍しい鳥です。英名はPine Bunting。


冬羽の本個体では顕著ではありませんが、夏羽では名前の由来となった白い頭央線が目立つと図鑑には示されています。初めて見る鳥で、おそらく但馬エリアでも初確認種ではないかと思います。


前から見ると、喉の周りまでこげ茶色のマスクをしているように見えます。普通のホオジロは喉が白いので、違いがよく分かります。

六方田んぼでは2・3日間過ごした様子。刈田の落穂を食べ、電線に上がって休むという行動を繰り返していました。

豊岡を旅立った後は、どこに飛んで行くのでしょう。新しい立ち寄り先で、また野鳥観察の人たちにサプライズを与えることでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

シマイサキ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年10月31日 06時32分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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シマイサキ   スズキ目 シマイサキ科

 川での魚類調査などで、今年はシマイサキの幼魚を非常によく見ました。大きな川の下流域では、水面を眺めていると見つけることもあります。体の縞模様がよく目立ちます。この魚は海の内湾や川の河口など、汽水域に住んでいます。海の魚のイメージが強いと思いますが、写真のような幼魚は淡水域にも遡ってきます。豊岡盆地では出石川まで遡ってきます。


 不鮮明ですが、水中の様子です。コンクリートの護岸についている小動物らしきものを食べています。動物食性で、小さなエビやゴカイなどを食べます。この写真のように、今年はたくさん群れているのをよく見ました。


 最初の写真と、この写真は水槽飼育のものです。これは4、5センチほどの幼魚ですが、大きくなると30センチ前後まで成長します。うきぶくろを使ってグウグウと音を出すことから、「ウタウタイ」とも呼ばれています。


写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

クロハラアジサシ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年10月14日 13時45分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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渡り鳥が南へ動く季節。出石川下流の加陽湿地に2羽のクロハラアジサシが飛来しました。チドリ目カモメ科の鳥で、春と秋の渡りの時期に希に豊岡盆地で観察される希少種です。


春の渡り期には、名前の由来となった「黒い腹」をしていますが、繁殖を終えて南へ渡る秋には、黒い羽根が白い羽根に生え変わります。写真の個体はまだ少し黒い羽根を残していますが、2羽で飛来したもう一方の個体の腹は真っ白でした。


2羽は、国交省が大規模な湿地造成を行った堤外に数日間滞在しました。水中の魚を飛行中に見つけると、真っ逆さまに落ちてゆきます。


勢いよく水中に飛び込み、魚の捕獲を試みますが、100%成功するわけではありません。何度かに一度、自分で食べられるサイズの小魚を捕まえます。


小型のフナを捕まえました。クロハラアジサシは魚を専門に捕まえるわけではなく、田んぼや草原の虫も餌にします。

海に近い豊岡盆地、オセアニア方面の越冬地へ向かう道すがら、海鳥のクロハラアジサシが旅の中継地として時々利用して行きます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ミナミメダカ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年09月29日 22時33分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ミナミメダカ   ダツ目 メダカ科

 日本に生息するメダカは、キタノメダカとミナミメダカの2種とされています。丹後・但馬地方はそれぞれの分布域の境目にあたり、両種とも生息しています。キタノメダカについては、2013年7月の投稿http://www.tajima.or.jp/modules/nature/details.php?bid=481
を参照してください。
 今回はミナミメダカです。分布域は、日本海側では京都府以西、太平洋側では岩手県以西となっています。





 生息環境はキタノメダカと同じです。小川や田んぼ横の水路、沼地など、流れの緩やかな水域に住んでいます。これらの写真は、但馬のとある河川流域で撮影しました。但馬ではそれぞれの河川流域ごとにメダカの種類や遺伝的なタイプが異なります。それぞれの地域のメダカを大切にしなければなりません。


 上:ミナミメダカ 下:キタノメダカ

 キタノメダカとミナミメダカの、気になるその見分け方です。両種はとても似ているので、ぱっと見ただけでは分からないでしょう。背びれにある大きな切れ込みが浅いか深いかで見分けることもできるそうですが、それよりも確率が高いのが、尾びれの付け根にある黒い部分と言われています。


左:ミナミメダカ 右:キタノメダカ

赤線で囲った、この黒い粒状の集まりが、ミナミメダカでは二つの楕円を上下に並べたようになっていますが、キタノメダカでは弓状です。(キタノメダカの方は鱗の黒い模様があるので注意)今回採集した個体全てにこの黒色の斑紋があった事と、採集地がミナミメダカの分布域であるという事から、ミナミメダカと同定しました。


 水路の水草の陰に潜むミナミメダカ

 今回撮影した生息地は、あまり広くない水田エリアです。限られた場所で何とか存続しているような状態です。宅地造成などが行われれば、瞬く間にここの群れは消滅してしまうでしょう。また、メダカたちはそれぞれの地域ごとに環境に適応して進化してきており、遺伝的にも異なります。ペットショップで購入したものや、他の地域のメダカの放流は、その特性を壊してしまう事が考えられるので、止めなければいけません。
 それぞれの地域で生き延びてきたメダカたちが滅びることがないよう、私達は気を付けなければなりません。

 写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

オオルリボシヤンマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年09月13日 10時11分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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夏のトンボの代表格はヤンマの仲間で、オニヤンマやギンヤンマといったポピュラーな種は子供たちの人気の的です。虫好きの大人にも人気のヤンマが、今回紹介するオオルリボシヤンマです。

豊岡盆地では山際のため池で少数が生息しており、9月に入ってから古くから知られている産地で確認できました。7月、8月の盛夏の間、何度か通ってチェックしましたが、暑い時期には見つけることができませんでした。

このオオルリボシヤンマを、9月10日のコウノトリの郷公園のビオトープ池で確認しました。ここでは、おそらく初めての観察記録になると思います。


オニヤンマやギンヤンマのように、遠目からでも分かる色模様が目立たないため、うっかりすると見逃してしまいそうです。体長はギンヤンマと同じか、少し大きい程度。望遠レンズで引き寄せてみると、このトンボの美しさが分かります。胸の条紋は緑色で、腹部のストライプや斑点がルリ色。複眼もルリ色です。色は個体差があり、緑っぽいのや青っぽいのがいます。


池の上を行ったり来たりしながら、自分の縄張りを宣言しています。速いスピードで直線的に飛び、観察中はホバリングを見せることもなかったので、動体撮影はなかなか難しいものがありました。


このときは、おそらく3頭のオオルリボシヤンマがいたと思います。ときどき2頭、3頭が激しく空中で絡み合うシーンが見られました。縄張り争いか、メスを巡る攻防かは分かりませんでした。

9月に入ってから2ヶ所でオオルリボシヤンマを確認したことから、本種の豊岡盆地での出現時期が推測できそうです。また、コウノトリの郷公園という新たな産地が加わり、本種の勢力拡大の可能性にも今後注目したいと思います。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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