ヌメリスギタケモドキ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年12月03日 12時39分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ヌメリスギタケモドキ   モエギタケ科 スギタケ属
滑杉茸擬    (Pholiota aurivella)

春〜秋に広葉樹の立木・枯木に発生、木材腐朽菌。カサの径は5〜12冂度、まれに15儖幣紊砲覆襦

カサは強い粘性を持つが、柄に粘性はない。近縁のヌメリスギタケは柄も粘性を帯びることで区別される。




カサに先の尖った鱗片が見られ、中心部よりも外側に多い。幼菌時にははっきりしているが、成熟とともに目立たなくなる。ツバは不完全で消失しやすい。








同じスギタケ属で、同じく古木に発生するスギタケ、スギタケモドキ、地上に発生するツチスギタケとよく似た仲間が多く、前2者は昔は食菌とされていたが中毒報告もあり現在は毒菌とされる。また、ツチスギタケは明確な毒菌とされている。分類がはっきりせず中間型とかもあるようで、さらに人によっては当たる場合もあるなど、難しい仲間であるが、ぬめりがあれば、ほぼ大丈夫のようである。

ナメコと同属でもあり、ぬめりが強く味、歯ごたえともに良好。多収も期待でき良菌と思う。





タモロコ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年11月30日 21時38分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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タモロコ コイ目 コイ科

 “モロコ”という魚の名前を聞いた方は多いかと思います。田んぼ脇の水路や小川など、身近なところに棲んでいる魚です。子どもの頃、魚取りをしていて捕まえた経験がある方も多いでしょう。よく似た種でホンモロコという魚がいますが、ホンモロコは琵琶湖の固有種でして、但馬には自然分布していません。但馬で見かけるのはタモロコです。

 コケでも食べているのでしょうか。雑食性で色んなものを食べますが、動物質のものをよく食べるようです。体長は大きいもので12センチほどになります。

 一見、同じコイ科のカワムツの若魚によく似ていますが、カワムツと比べてウロコが大きいことや口元にヒゲがあること、ヒレの色など違いがあります。

カワムツ  コイ目コイ科


タモロコ  コイ目コイ科

 タモロコは琵琶湖のホンモロコと比べて、体型がずんぐりしていて尻尾の付け根が太い、口ヒゲが長いなどの特徴があります。対して、ホンモロコは遊泳力の高いスマートな体型で口ヒゲが短く、鰓耙(エラにある餌を濾し取る器官)がプランクトンを食べるのにより適した形をしているなど、タモロコと比べて、湖などより広い水域での生活に適した特徴が目立ちます。しかし、この特徴は地域によって違いがあるようです。例えば、福井県の三方湖のタモロコは、湖に棲んでいるためかホンモロコに近い特徴があります。ところが、琵琶湖に棲んでいるタモロコは、湖に棲んでいるにもかかわらず、よりずんぐりした体形で口ヒゲも長いようです。これは、同じところにホンモロコとタモロコが棲んでいると、お互いの競争によって生息場所の棲み分けが進み、それぞれの生息環境に適した特徴が際立ってくる現象のようです。タモロコはよりタモロコらしく、ホンモロコはよりホンモロコらしくなるようです。但馬に棲んでいるタモロコも、体型などを詳しく調べてみると面白いかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤドリギ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年11月23日 16時21分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ヤドリギ ビャクダン科

 ヤドリギは、宿り木です。大きな木に寄生しています。葉は緑色をしていますので光合成をして自分で栄養を作ることをしながら、寄生した植物から根で養分も取っています。こんな植物を半寄生といいます。



 ブナ、エノキ、ケヤキ、クリ、サクラなどいろいろな落葉樹の大木に寄生します。但馬では、ブナについているのをよく見ます。過去の研究でヤドリギは、林縁に多く、また、孤立した大木に多いことが分かっています。


交流センター前の駐車場。大きな看板もある。一番目立つ場所に間違いない。

 寄生する木が葉を茂らせている季節はなかなか気づきませんが、葉を落とした頃になるとよく目立ちます。写真の木は、鉢伏高原で最もよく目立つミズナラです。私はこれまでこの木にヤドリギがついていることに気づいていませんでした。それがこの雪景色の中、気づかずに済ますことはできませんでした。


雪の重みで落ちたらしいヤドリギ。この日は結構こんなのに出会った。そんな機会でないと間近に見ることは難しい。

 葉が落ちた木の中で鮮やかな緑の葉、雌株にはこれまた鮮やかな黄色、まれに赤い果実をつけたヤドリギは見る者に何か元気をくれるような植物です。よく似た種類のセイヨウヤドリギに古代ヨーロッパの人たちが不思議な力を持つと考えて、宗教的な行事に使われたのも分かる気がします。


この果実は、黄色いのか? 赤味を帯びていてこれからさらに赤くなるのか? 微妙な色合いだった。とりあえず黄色ということにしておこう。

 果実は、黄色ですが。中には赤い果実をつけるアカミヤドリギと呼ばれるものもあります。この果実の中には、種子と鳥の餌になる部分とねばねばする糸のような部分が含まれています。鳥のお腹を通ることで、果実の表面の皮と鳥の栄養となる部分はなくなり、長いひも状のねばねば部分と種子が残ります。このねばねば部分は、鳥が糞をした時に鳥のお尻にくっついて、種子を含んだままだらんとぶら下がります。その中の幾つかが大木の枝にくっつき、さらのその中の幾つかが発芽して生長していきます。



 かつては、ヤドリギの果実や茎葉から鳥もちが作られました。牛馬の飼料に使われたり、飢饉の時に食用にもされたといわれています。漢方薬としても使われています。



すでに乾いていたが、樹液の感じがいかにも粘りそうだった。鳥もちが作れるのが納得できる質感だった。

ノゴマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年11月11日 14時27分   カテゴリ たじまのしぜん

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渡り鳥の季節もいよいよ終盤になり、多くの渡り鳥は越冬する目的地に到着したか、その手前の中継地にいることでしょう。10月中旬の円山川河川敷のヨシ原は、旅する渡り鳥の多くが中継地として利用することで知られています。

天敵に見つからないよう、深いヨシ原の中に身を潜めていますので、それらの渡り鳥を観察するのはなかなか難しいことです。この時期にヨシ原で実施される環境省の鳥類標識調査では、これらの旅鳥の存在が明らかにされてきました。

継続的に野鳥観察を続けていると、思いがけない鳥に出会うチャンスが訪れます。今回は秋の渡りのノゴマに出会うことができました。日本では北海道が主要な繁殖地で、秋になると南の国へ渡ってゆきます。


ノゴマの渡りはグループで行われ、秋の観察では同じ場所で複数羽を見ることができます。喉の赤いのはオスで、英名の「ルビー・スロート」(ルビー色の喉)の通りの美しいツグミの仲間です。一方のメスはこの赤い色がありませんので、とても地味な鳥です。


春の渡りでは、北の繁殖地に向かうノゴマを見ることができますが、ソングポストと呼ばれる見晴らしの良い枝先などに止まって囀りますので、秋のノゴマより観察チャンスが増えます。秋のノゴマは見る機会が少ない分、出会えればうれしい気持ちになります。

たとえ見ることができなくても、このような鳥が、毎年確実に円山川のヨシ原を利用して行くことを知ってもらえれば幸いです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ツノフノリタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年11月04日 10時59分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ツノフノリタケ   アカキクラゲ目 アカキクラゲ科
角布海苔茸    (Calocera cornea )
黄色〜橙黄色の高さ1.5僂曚匹両さなキノコ。少し曲がって先がとがっている。分岐するものも多い。朽ち木上に単生から束生、散策道の木材や古くなった木製ベンチなどに発生していることもある。

少し似たキノコにツノマタタケがあり、こちらの方がより多くの図鑑で紹介されていること、また、ツノマタタケの方がよく見かけることから、よく観察しないとツノマタタケと誤認して、ツノフノリタケと気が付かずに通り過ぎてしまいやすい。



和名の由来は、角のような形で、海藻である「布海苔」とよく似ているためである。布海苔はあまり馴染みがないので、角を振っているように見えるためツノフリタケと勘違いしておりました。
小さいけれど朽ち木に発生する様子は美しい。
食毒不明、食用の価値はないが飾りにはなると思う。

ゴンズイ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年10月31日 22時24分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ゴンズイ   ナマズ目 ゴンズイ科

 ゴンズイは海に住んでいる魚ですが、ナマズの仲間に分類されます。岸近くに棲んでいて、磯の岩の間で見ることがあります。これは数センチほどの幼魚でして、この大きさの頃は写真のように群れになっている事が多いです。このような状態を「ゴンズイ玉」と呼びます。大きくなると全長20センチほどになるようです。今年は数が多いようでして、竹野海岸でスノーケリングをしているときによく見ました。この写真のように岩の隙間に入っている事が多いので、気にしていなければ見逃すかもしれません。


 頭から尻尾に向けて4本の黄色い線があります。ヒゲは8本あります。背びれと胸びれには毒針があり、刺されると非常に痛いようで注意が必要です。幸い、私はまだ刺されたことはありません。


 浅場の底で、岩や海藻などの物陰をつたって泳いでる姿を時々見ます。また来年、夏になって海に入る機会があれば、ゴンズイがいないか岩の間を探してみてはいかがでしょうか。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ミズヒキ いろんなのを見つけました

執筆 菅村定昌   掲載 2017年10月24日 21時07分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ミズヒキ タデ科



 この植物の名前であるミズヒキは、ご祝儀袋についている紅白のひも「水引」に由来します。



小さな赤い花がたくさんついて赤い線のように見えるので水引の赤い線を想像したのかなと思いましたが違いました、花をよく見ると花びら(本当はがく片)の上側が赤で下側が白なので、花の連なりを上から見ると赤い線、下から見ると白い線に見えるのが由来だそうです。



 ミズヒキは、林やその縁などに普通に生えています。葉に特徴的な斑紋があるので春でもすぐに見つけられます。



 今年はいろんなタイプのミズヒキが生えている場所に行き当たりました。それを紹介します。

 まずは、白花のミズヒキです。ギンミズヒキという名前がついています。これと普通のミズヒキがあるとまさに本物のミズヒキです。







 次は赤と白が混じっているものです。ゴショミズヒキという名前がついています。



 先だけ赤(ピンク)のものもありました。



六方田んぼの猛禽類

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年10月16日 18時17分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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稲刈りが終わり、田んぼに餌を求めて小鳥が集まってくる季節になると、その小鳥を餌にする猛禽類(もうきんるい)も集まってくるようになります。

海岸の断崖で暮らすハヤブサも、この時期は田んぼが格好の餌場となります。電柱の上でじっと獲物のスキを狙って急襲します。


田んぼでハヤブサを見る機会はそう多くはないですが、同じ仲間のチョウゲンボウはよく見かけます。カラスより少し小さくスリムな体をした茶色い鳥で、小鳥のほか、今の時期はバッタをよく捕まえて食べています。


タカ科の中でトビに次いでポピュラーな秋冬の猛禽類がノスリです。後ろから見るとトビと同じような羽根の色に見えますが、前からと、飛んだ時に見上げる姿は、クリーム色をしているのでトビとの区別がつきます。


かつては希少種として扱われてきたオオタカは、最近はよく見かける猛禽類の一つになりました。この時期は、茶色い色をした今年生まれの幼鳥を観察する機会も多いですが、成鳥のキリっと締まった姿はかっこいいです。


ときどきオオタカとの区別が難しいこともあるハイタカは、オオタカより少し小形の猛禽類です。

六方田んぼでは、これらの猛禽類が秋から冬にかけてよく観察されます。彼らの餌採りの待ち伏せ場所である田んぼ中の電柱を注意してみれば、今回紹介した鳥がきっと見つかると思います。運がよければ、猛禽類の捕食シーンに出会うこともあります。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ツキヨタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年10月08日 20時03分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ツキヨタケ   ハラタケ目 キシメジ科
月夜茸    (Omphalotus japonics)




毒キノコによる中毒は全国で毎年発生している。中でもツキヨタケによる中毒が最も多く、厚生労働省の資料によると過去10年間で患者数は746名に達しておりキノコ中毒の約半数を占めている。優秀な食菌であるシイタケ、ヒラタケ、ムキタケと似ており、全体に地味で毒々しくみえないこと、縦によく裂ける、不快なにおいや味がない、一か所で大量に採取されることなどが中毒多発につながっている。食後1時間程で嘔吐、下痢、腹痛など中毒症状が現れ、大部分は数日で回復するが死亡例もある。
ツキヨタケは晩夏から秋にかけて主にブナの枯れ木に群生。シイタケとは柄がないことから、またヒラタケ、ムキタケとは発生時期が早いこと、傘の色が茶色であることから区別できる。

決定的なのは、裂いてみて根元に黒いしみがあればツキヨタケに間違いない。これらから、慣れれば判別は容易と言えよう。




傘の色はつやのある茶色が多いが、ネット情報では薄いピンク色に近いものがあるとのこと。今回、その薄い系統に出会えた。色だけ見るとツキヨタケのイメージと違うが、色以外はツキヨタケそのものである。









ツキヨタケに小さなハエがたくさんたかっている。





ツキヨタケを家に持って帰って机の上に置いておいた。3日後、ツキヨタケはかなり水分が抜けて、赤い幼虫がはい出していた。最初見た時は既に死んでいるのかと思ったが、電気をつけた明るさの刺激のためか、やがてもぞもぞと動き出した。驚いたことに体をひねって5cmほどジャンプするのである。


ツキヨタケは発光するので夜間はぼんやり光って見えることでも有名。ヒダに発光成分を有しており、夜間はぼんやり光って見える。夜に光るキノコとして聞いたことのある人も多いのではないか。ツキヨタケという名前は、江戸時代後期の「坂本浩然」という医者・植物学者が名付けたそうで、現在でも標準和名として使われている。



ツキヨタケには4、5回であったことがあるが、夜に観察したことがないので光っているところは見たことがなかった。今回は持って帰って撮影してみたが、なかなかきれいに光ります。写真は実際の見え方をよく表していると思う。暗さに目が慣れてくるとこんな風に浮かび上がってくる。いつか真っ暗な森の中で見てみたい。家の中で見るよりもずっと幻想的ではなかろうか。

トサカギンポ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年09月30日 17時59分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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トサカギンポ  スズキ目 イソギンポ科

 この魚はあまり馴染みがないかもしれません。全長5センチほどの小さな魚です。内湾や大きな川の汽水域に住んでいます。但馬では、今のところ円山川でしか確認されていません。岩の間やカキ殻の隙間などに潜んでいることが多いです。肉食性でゴカイなど小さな水生動物を食べているようです。




 名前のとおり頭にトサカがあります。ギンポの仲間はほとんどが海水魚ですが、汽水域に住んでいる種類もいくつかいます。


 こちらの写真は魚類調査で採集したときの写真です。兵庫県レッドデータのランクでは要調査になっており、県内の生息状況は十分に把握されていないようです。個体数もそんなに多くないようです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

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