アオバズク

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年08月11日 14時34分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アオバズクはフクロウ科の鳥で、日本には夏鳥として東南アジアの国から繁殖のために戻ってきます。青葉のしげる頃、日中でもその姿が観察されることからの命名でしょう。

夜行性で、フクロウがネズミを中心とする小型哺乳類を捕まえるのに対し、アオバズクは昆虫を捕まえて食べています。フクロウは「ホーホー・ゴロスケホッホ」と低く鳴き、アオバズクは「ホーホーホーホー」と連続的に高く鳴きます。


アオバズクの繁殖地として、人里の神社杜がよく選ばれますが、神社にはケヤキの古い巨木が立っていて、長い年月のうちに樹洞があき、その穴をフクロウの仲間が巣として利用するのに適しているからです。神聖な場所なので、眠っている日中、人々の喧騒もありません。


豊岡市内の神社で観察したアオバズク。両親に守られて枝に止まる未熟なヒナが1羽いるだけで(通常2・3羽が巣立ちます)、しかもヒナの左目がつぶれていました。親鳥が子育て中にテンなどの天敵動物に巣を襲われたのかも知れません。怪我をしながら生き残った1羽が親鳥の世話を受けているといった状況にみえました。

秋になるとアオバズクはまた南の国々に渡って行きますが、さて、この幼い子は、無事に飛んで行けるのでしょうか。それとも別の運命が待ち受けているのでしょうか。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

シロホウライタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年08月05日 11時46分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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シロホウライタケ
 キシメジ科、シロホウライタケ属
 白蓬莱茸 (Marasmiellus candidus)



カサの径は1〜3冂度、白くて小さくてかわいいキノコ。
カサの皮は薄く膜質、粉を噴くが光沢もある。ヒダは疎、分岐、脈絡がある、柄も白色であるが、下部は成熟すると黒みを帯びる。近縁のアシグロホウライタケは柄の上部まで明瞭に黒い。


純白で透明感もあり、光が透けて美しい。
夏から秋、枯木、枯枝に群生。

キヌバリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年07月31日 18時53分   カテゴリ たじまのしぜん

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キヌバリ   スズキ目 ハゼ科

 夏真っ盛りになりました。これから海に行く方、またはもう行ったという方もあるでしょう。
磯でスノーケリングをした方なら、この魚に見覚えがあるかもしれません。キヌバリという縞模様がはっきりしているきれいなハゼです。水深約2メートルより深いところでよく見ますので、背が届く場所での海水浴では、あまり見ることは少ないかもしれません。稚魚の頃は群れでいますが、大きくなると単独行動です。あまり泳ぎ回らずに、底から少し離れたところを漂っている事が多いです。動物食で、エビなどの甲殻類やゴカイなどを食べます。





 キヌバリは朝鮮半島と日本列島周辺に住んでます。日本海にも太平洋にも住んでいますが、胴体の縞の本数が異なります。太平洋に住むものは6本ですが、日本海に住むものは7本です。この写真は竹野海岸で撮影しましたので、もちろん7本です。


 岩の隙間に隠れました。潜って近づくと、警戒してこのような場所に身を潜めます。


 別の個体ですが、カメラを向けてしばらく待っていると、こちらの様子を伺って少しだけ出てきました。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ミゾホオズキ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年07月26日 11時35分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ミゾホオズキ ハエドクソウ科


氷ノ山

 名前のミゾ(溝)から分かるように水辺に生えます。水辺といっても大きな川ではなく山間の小さな流れの脇や水のしみ出る崖地などによく見られます。
 但馬では、コウノトリの郷公園の遊歩道のような標高の低いところから氷ノ山の高所までいたるところで見られます。山間部に行くと農業用水路の脇にも生えています。


氷ノ山

 ホオズキというのは、あのホオズキのことです。がくに包まれた果実がホオズキによく似ているところから来ています。ただし本物のホオズキのように赤くなったりはしません。


扇の山

 茎は四角い形をしており、葉には柄があります。長さ10mm〜15mmくらいの花を6月〜8月に咲かせます。黄色くて特徴的な形の花が目立ち思わず写真に収めたくなる植物の一つです。

 花びらは上下二つに分かれ、さらに上部は二つに、下部は三つに分かれています。


阿瀬渓谷

 先日、登った阿瀬渓谷では、シカによる植生被害が非常に深刻にもかかわらず背丈が低いことや崖地に多いことが幸いしてか、あるいはシカの駆除が進んだことが功を奏してか、ところどころで見ることができました。


氷ノ山

 よく似た種類にオオバミゾホオズキがあります。兵庫県はほぼ分布の西限に当たります。
 岡山県ではすでに80年近く発見されておらず絶滅が危惧されています。鳥取県では、兵庫県の近くの数カ所でわずかに知られています。兵庫県でも、但馬の高い山の標高の高いところにわずかに知られています。私は兵庫県産の花のついた写真を持っていませんので、先日、訪れた大雪山系のものを貼っておきます。

 一番大きな違いは、葉の柄です。
 ミゾホオズキには葉に柄がありますが、オオバミゾホオズキには葉に柄がありません。


大雪高原温泉沼巡り登山コース






ムラサキサギ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年07月14日 14時50分   カテゴリ たじまのしぜん

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珍しいサギが豊岡盆地内で観察されました。コウノトリ人工巣塔の営巣状況を継続観察しているコウノトリ文化館職員が、「汚いアオサギがいる」と撮影した写真を見せてくれて判明しました。

たしかにパッと見ではアオサギに見えますが、翼上面の色が濃い紫色なのと、首の側面に明らかなラインが入ります。


警戒心が強く、一定の距離以内への接近を試みると、すぐに飛んでしまいました。飛翔時の色も、アオサギより黒っぽいです。


豊岡に飛んできた証拠に、コウノトリとの2ショット。


アオサギと一緒に飛んだところ。これを見るとアオサギとの違いがよく分かります。
名前のとおりアオサギは青っぽく、ムラサキサギは紫っぽいです。

「但馬野鳥の会」によれば、当地への飛来は過去2回しか記録されておらず、今回が3回目とのこと。日本では沖縄地方で留鳥として観察されますが、このあたりへの迷行飛来は珍しいです。今回飛来したのは若鳥。成鳥になるとさらにコントラストが強くなります。

近年、おなじく沖縄地方で留鳥のシロハラクイナが豊岡に飛来したり、南方系の留鳥の北への進出が目立つようになっています。これもやはり、地球温暖化の影響と考えてよいのでしょうか。

今回飛来したムラサキサギは、一週間ほど同じエリアに滞在したのち、どこかに飛んで行ってしまいました。本種の今後の動向に注目したいと思います。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信


シロカイメンタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年07月08日 08時49分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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シロカイメンタケ   サルノコシカケ科
白海綿茸   (Piptoporus soloniensis)
初夏から秋に広葉樹・針葉樹の倒木に発生する腐朽菌。大型のサルノコシカケで大きいものは20センチ径を超える。


シロカイメンタケという名前ではあるが、幼菌のときは赤褐色が強いく、成熟するにつれて白色となる。




特に幼菌時は同じ赤系統のマスタケと似ているが、シロカイメンタケは強靱で裂けにくく、マスタタケはもろく砕けやすいので判別できる。また、シロカイメンタケは初夏、マスタケは秋の発生が傾向として見られる。



成長時カサの縁部は柔らかいため、拡大するにあわせ接触する異物を取り込んで、植物の茎や枝などがカサを貫通している場合が見られる。




有毒との記載は見当たらず、味見をすると酸味があるらしい。幼菌の時であれば食べられないことはないと思うが、食べてみようとは思わない。不食。

アナグマ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月30日 21時44分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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アナグマ   食肉目 イタチ科

 アナグマは名前に「クマ」とついていますが、クマの仲間ではありません。タヌキに間違われる事もありますが、タヌキの仲間(イヌ科)でもありません。姿からは想像しにくいのですが、イタチの仲間・イタチ科に分類される動物です。ムジナとも呼ばれています。タヌキをムジナと呼ぶ地域もあるようですが、大抵の場合、ムジナというとアナグマのことをさします。その名前の通り、地面に穴を掘って巣をつくります。


 地面を掘っている写真です。ミミズでも探しているのでしょう。雑食性で、虫やカエル、果実などを食べます。中でもミミズを好んで食べるようです。この写真は蘇武岳付近の林道で撮影しました。山地から里山にかけて広く生息しています。兵庫県では準絶滅危惧種に指定されていますが、近年よく姿を見るようになりました。


 2頭が一緒に歩いているところに遭遇しました。メス親と子どもは群れをつくるようです。この2頭も家族なのでしょう。


 警戒心が薄いのか、肝が据わっているのか、人間が近づいても逃げないことがあります。この写真は5メートルほどの距離で撮影しました。こちらから近づいたのではなく、アナグマから近づいてきました。ただ、気性が荒く、あまり近づくと怒ってくることもありますので、見かけてもあまり近寄らず、距離をあけて観察した方がいいでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ササユリ

執筆 菅村定昌   掲載 2017年06月24日 22時27分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ササユリ ユリ科



 ササユリの学名は、Lilium japonicum Houtt です。japonicum とある通り日本固有種、日本にしかないユリです。ササユリは、本州の中部以南と四国、九州に生育します。丘陵地や山間の林縁もしくは疎林の林床に生育します。ササユリという名前は、葉がササに似ているからというのが納得ですが、ササやぶの中で咲くからという説もあります。


ササの中のササユリ

 かつては普通に見られたユリでした。関西で野生のユリといえばこのササユリを指しました。私が自然観観察を始めた40年ほど前には、山に近づけばあちらこちらに見られ、たくさん咲いている場所もありました。最近では、一株二株がちらほらと咲いているのを見ると珍しいものを見つけた気分になります。




 ササユリは、春先によく日光があたり、その後も木漏れ日の差す明るい木陰を好みます。それは、人が手入れをしていた里山の山裾であったり、山の中であったりします。里山が利用されなくなって、競合する植物が増えました。日当たりが悪くなりササユリは生育場所を大きく狭めました。ササなどがびっしりと生えると種子が発芽することもできません。次世代が育つことができないのです。



 また、かつては大量にあったので人が少々取っても影響はさほどありませんでした。その感覚で少なくなったササユリを取ると激減します。そこに獣害です。シカは地上部を食べます。球根が残るので多くは生き残るのでしょうが、数年続くと深刻なダメージが残ると思います。イノシシは、実に上手に球根だけを掘り取って食べます。


この大きさのものは地面に張り付いておりシカの食害から逃れていることがある。大きく育ったものがダメージを受けてこんな状態になるものもある。

 暗い話が続きましたが、明るい話もあります。
 豊岡市が設置されたノアの方舟の2か所でササユリが開花しました。うれしことに一株二株ではありません。小さな株も見られたので増えていくことは間違いありません。今後が楽しみです。


柵の中で開花を待つ株


これらは来年には咲くかもしれない。そんな株がいくつもあった。

 開花した柵の周辺は豊岡市でもシカにより食害が著しい場所でした。柵内は数年で大きく改善しました。ササユリは、種子から始まると開花まで10年近くかかります。球根が残っていると再生が早いです。球根や地下茎がまだかろうじて残っている今、多くの場所を植生保護柵で囲っていけたらと思います。



ピンクのものもある。

ヤマドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年06月13日 13時12分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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早朝に林道を走ると、ヤマドリと出会うことがあります。普段は林床の藪の中に潜んでいますが、朝は開けた場所に出て来て活発に動いています。

キジ科の鳥ですが、平地で暮らすキジと違って、オスの羽根色は赤銅色をしています。尾羽もキジより長く、林道で何度出会ってもその美しい姿に惹かれます。


こちらの写真はヤマドリのメスです。オスに比べて尾羽が短く、全体的に羽色は地味で目立ちません。木の根元の地面に簡素な巣を作り、産卵後は引き続きメスだけが卵を温めます。メスが地味な茶色の羽根を持つのは、地面で抱卵しているのを巧みにカムフラージュするためです。


前回ヤマドリと出会ったエリアを再訪すると、切り株の上でオスが存在感をアピールしていました。赤い色は遠くから肉眼でもよく見え、長い尾を引くその堂々とした姿は、太古の恐竜を思い起こさせました。

ヤマドリは日本の固有種です。日本の国鳥であるキジよりも、日本に似合う野鳥のように思います。山に生息するクマタカなどの猛禽類に捕食される運命も背負っています。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

アイタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年06月03日 09時12分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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アイタケ   ベニタケ科 ベニタケ属
 藍茸  (Russula virescens)

このアイタケは、和名の由来は藍色から来ているようであるが、薄い藍染であればイメージできるかもしれない。少し青みがかった緑〜草色のキノコ。

傘は10cmを超えるやや大型のキノコである。傘の表面はひび割れたようになって、モザイク模様、かすり模様になる。成熟すると傘は中央部がへこみ、ロート状になる場合もある。



また、縁部が裂けることも多い。ヒダはやや密で白色、柄も白色で充実。ベニタケ科の共通で全体にもろい。緑色のキノコはあまり見かけない。成熟すれば外見の特徴から判別は容易である。



味、臭いともに温和で、ベニタケ科らしく歯ごたえは悪くぼそぼそ感があるが、まずまずの食菌といえると思う。夏のキノコなので多くの場合虫が入っており、持ち帰って食べようかと思うようなものに出会うことは少ない。



初夏から秋に広葉樹林の地上部に単生から群生する。珍しいものではない。

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