キチャワンタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年03月01日 00時10分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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キチャワンタケ   チャワンタケ目 ピロネマキン科 キチャワンタケ属 
        (Caloscypha fulgens)




キチャワンタケ、名前の通り茶碗形でレモン色から黄色が美しい。直径 2-3 cm程度で、早春から春に発生する。散生から群生。針葉樹林地内に多いようだが写真のものは針葉樹交じりの雑木林。



もろく椀の外側に少し青緑色が見られ、傷つけると黄色から青緑変する。青緑は濃いものからあまり色が出ない系統もあるようだ。




小さく、もろく、色合いからも食用に適さない。食毒不明。
黄色から青緑変しないものでキンチャワンタケという種もある。




チャワンタケ目の仲間は分類ではマツタケなど一般的なキノコと同じ菌界の真菌門であるから同じキノコの仲間といえるものの、少し別の子嚢菌亜門で盤菌綱に属する。同じ脊索動物門であるが、脊椎動物亜門の人間と尾索動物亜門のホヤぐらい別の生物である。

サガリハリタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年02月01日 01時30分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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サガリハリタケ   ヒダナシタケ目 コウヤクタケ科
 懸垂針茸         (Radulomyces copelandii)




広葉樹の枯木に膏薬状に樹皮に張り付くように広がり、1冂度の針状の突起を垂らす。背着生のキノコ。




幼菌時は白く少し青みがかって透明感もあり、鍾乳石を思い出すような感じで美しい。




やがて黄褐色に色づ老熟すると針状突起が遠目には毛が密生しているように見える。
分類が進むにつれ変遷しており、図鑑等により記載が違う場合が多い。以前は属名がコゲチャハリタケ属あるいはサガリハリタケ属Mycoaciaだったが、現在はアカギンコウヤクタケ属Radulomycesとされているようだ。



特徴的なキノコであるが普通種で豊岡周辺でもよく見かける。
 

ハカワラタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年01月02日 12時55分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ハカワラタケ   ヒダナシタケ目 タコウキン科 シハイタケ属 
        (Trichaptum biforme)




小さなサルノコシカケで、枯木倒木に折り重なるように発生し、白腐れで枯木を分解していく。




普通にみられるが食用に適さずほとんど顧みられないシハイタケ属というキノコのグループの一種。シハイタケ、ウスバシハイタケ、ハカワラタケ、シロハカワラタケの4種が分類されているが、これらは非常によく似ており、特にハカワラタケとシロハカワラタケは同種と見る説が強い。



ハカワラタケは若い時には紫色が出て美しい。




老熟しても簡単には腐らないので紫が消えて干からびたように折り重ねって倒木に付着しているのを見かける機会のほうが多い。




ハカワラタケとシロハカワラタケが同じ倒木から発生している。





ヒダナシタケ目だからヒダはない。管孔面はヒダナシタケ目に多い穴状ではなく、歯牙状、薄歯状になっている。




ハカワラタケ、シロハカワラタケは広葉樹の倒木、古木に発生する。北半球で普通種。
 和名ハカワラタケの漢字表記は歯瓦茸?

アシナガタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年12月03日 14時18分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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アシナガタケ    ハラタケ目 キシメジ科 クヌギタケ属 
脚長茸        (Mycena polygramma )
アシナガタケ。広葉樹林の落葉、落枝などから秋に発生。写真のものは、豊岡市内の自宅庭で発生したもの。


傘は幼菌時は卵型で徐々に開き円錐形から中央部が突出する。











カサの径は2僂曚鼻
柄は5〜10センチ程度になり、弱弱しく地味ながらも森の妖精感がある。




ごく近縁種にニオイアシナガタケがあるが、こちらはヨードチンキの臭いがするという。そのような臭いはしないのでアシナガタケとした。

また、アシナガタケの特徴としては柄に縦線がみられることである。明確なものではないが、かろうじて縦線が確認できた。




普通種。無毒であるが食用の価値はない。

カノシタ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年11月03日 12時08分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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カノシタ    ヒダナシタケ目 カノシタ科 カノシタ属 
鹿舌        (Hydnum repandum)




カノシタ、優秀な食菌であるが毒成分を含んでいることが分かり、最近の図鑑では毒キノコとして扱われている。広葉樹林、針葉樹林、雑木林、広く発生する。




肉質はもろく砕けやすいが、火を通すとしっかりしと充実し、独特の歯触りは表現が難しいが、私個人の評価としては一級品である。バター炒めやシチューなどに入れると、お肉を食べているような感じになる。欧米ではシチューやオムレツなどに入れる食用キノコとしてpied du mouton(羊の足)の愛称で一級の食材とされている。


ヒダナシタケ目、つまり広い意味でサルノコシカケの仲間である。傘の裏側にヒダはなく、針状の突起が無数に垂下している。




幼菌時は饅頭型、成長してカサが開き、成熟するとフチが不規則にゆがんだ形となる。カサの色は肌色〜黄色〜淡橙色と広い。




ほとんど白から薄肌色の近縁種にシロカノシタがあるが、食菌としてはほとんど同じ扱いでよいと思う。




シロを作り毎年採取でき結構多収が見込め、独特の食感は魅力であり、わずかに毒成分を含んでいるとのことであるものの優秀な食菌といえる。




今秋、豊岡市内のとあるキャンプ場のすぐ横で、大きなシロを見つけた。キャンパーは誰も知らないのであろう、見向きもされていないようだ。

ズキンタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年10月02日 19時45分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ズキンタケ    ズキンタケ目 ズキンタケ科 
頭巾茸        (Leotia lubrica )




ズキンタケ、3〜5僂両さなキノコ。頭部はこぶし状。やや緑色がかっている。秋に林内地上部に発生。色合いなど多くの変異があり複数種に分類されているようだが、諸説あるようだ。小さいので食用の対象とされることはないであろうが、食毒不明とされている。


非常に小さくてマイナーなキノコであるが、全世界に分布し普通種らしく、群生することも多いので、秋の山歩きで少し注意すれば出会えることもあるかもしれない。よく見ると美しくてかわいらしいキノコである。



生物の分類は界・門・網・目・科・属・種と分けられている。キノコの仲間は菌界・真菌門で、真菌門は担子菌亜門と子嚢菌亜門に分けられている。子嚢菌亜門には盤菌鋼という一群があって、ズキンタケはそこに属している。

キアミアシイグチ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年08月06日 10時34分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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キアミアシイグチ   ハラタケ目 イグチ科 イグチ属
黄網足猪口  (Boletus ornatipes Peck)




夏から秋、広葉樹林に発生。傘の表面の色はくすんだオリーブ色から緑黄褐色で少しビロード状である。最大10センチ径ぐらいになるので大型のキノコと言って良いと思う。




イグチの仲間なのでヒダではなく細かい網目の管孔で、黄色からややくすんでくる。柄の色は美しいレモン色から黄色で、全面に隆起した網目模様があるのが特徴。網目は老熟につれて黒ずんでくる。



若いうちは全体がレモン色で美しい。柄の網目も美しい。森の中で出会うと嬉しくなる。
残念ながら苦みがあるので食べられない。



よく似たキノコにキアシヤマドリタケ(仮称)Boletus auripesがある。こちらはもっと大型でずんぐりしており、食用として優秀なヤマドリタケモドキの柄が黄色いやつという感じらしいが、私はまだ見たことがない。

キソウメンタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年07月02日 15時26分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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キソウメンタケ(SP.)   ヒダナシタケ目 シロソウメンタケ科 ナギナタタケ属
黄素麺茸           (Clavulinopsis helvola)




 ソウメンタケの仲間は、キノコ図鑑の中でも一種独特で存在感がある。ひょろりとして立ち上がりる形状。赤、白、黄、紫、、、色とりどりで華やか。
 キソウメンタケは黄色からレモン色で、この個体は森の中でレモン色に蛍光色を帯びたように見えてとても美しかった。
 夏から秋、林内地上生。3~10センチ程度、中空。単生あるいは束生。先端は尖らず鈍頭、まれに分岐する。老熟すると先端は色濃くなるものが多い。根元はすぼまっているとの記載が多いが、写真のものはそうとも言えない。微妙な変異も多く、複数の信用できそうなサイトで紹介されているものを見てみると、同種とは思えないくらい幅が広い。一口にキソウメンタケといっても分類が進めば多種に渡っていているのかもしれない。属についてはシロヒメホウキタケ属としているものも多い。こちらはRamariopsis helvolaと記載 。よくわからないので、キソウメンタケ(SP.)としておきます。

こちらは老成

シロテングタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年06月04日 18時11分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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シロテングタケ   ハラタケ目 テングタケ科 テングタケ属
白天狗茸           (Amanita neoovoidea)





シロテングタケは存在感のあるキノコである。大きいし、形が特徴的で、群発生していることが多い。傘の直径は10cmを超える。ほぼ真っ白なキノコであるが、傘には薄茶色のツボの破片が不規則にくっ付いている。また、傘の周りからは、ツバの破片が垂れ下がることが多い。とても特徴的で魅力的である。このキノコを見ると、なんとなく幽霊を思い出してしまう。また、幼菌は薄茶色まんまるな頭のお坊さんを思い出す。

毒キノコである。学研の「日本の毒キノコ」(2003)では激しい下痢や幻覚などの中毒を起こすとされている。ところが、山渓の「日本のキノコ」(1988)では食毒については触れられておらず、家の光協会「きのこ」(1988)可食となっており料理法まで紹介し、量は控えることと書いてある。どうなっているのだろうかと不思議に思っていた。


今回、改めてネットの情報を調べていたら、謎が少し解けた。東北地方にシラフタケと呼び、食用菌として利用している地域があるというのだ。その外見から普通は食用にされることはなく、キノコ利用の少ない西日本においては全く食用としては見向きもされていない。だから、昔の図鑑では食毒不明や可食と記載されており、近年は毒成分が確認できていることと、安全第一主義から大げさに毒菌として扱われているのだろう。

豊岡の里山には普通に生えているが、但馬のシロテングタケと東北で食用とされているシラフタケが毒性において同一とは考えないほうが良いだろう。種自体が違う可能性もあるし、毒性の強弱が系統により大幅に違うかもしれない。




いずれにせよテングタケ科に属していて、近縁種には、死に至る猛毒菌が多い仲間であるので、チャレンジはしないほうが良い。個人的にはテングタケ科はタマゴタケ、カバイロツルタケ以外は食べないようにしたい。

ツリガネタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年05月07日 16時36分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ツリガネタケ   ヒダナシタケ目 タコウキン科 ツリガネタケ属
釣鐘茸           (Fomes fomentarius)




サルノコシカケの仲間。しかし名前の通り釣り鐘型になるのでサルが腰かけるには具合が悪そうである。小型で群生するタイプと大型で単生することが多いタイプがあり、両者を別種とすべきかどうかの議論があるようだ。



強靭なフェルト質で年々下方へ成長するので外見は多層構造になる。広葉樹の枯木、倒木に発生。北半球世界的に発生。




無理やりはがした痕











肉は縦に強靭な繊維でできており、年々の成長にもかかわらずほぼ一直線に繊維は伸びている。




このキノコ、昔は人間の生活で重要な役割を果たしていたらしい。学名は火口(ほくち)という意味。ヨーロッパではフェルト質の肉をほぐして、火打石で火をおこすとき、最初に火を燃上がらせるために用いられたとのこと。ためしに肉を少しちぎってライターで火をつけてみると、炎は立たないが小さな火は決して消えない。一分間に5伉度、ゆっくりと燃えていく。それを使ってタバコに火をつけることもできた。

現代のようにライターやマッチがない時代であれば、火口(ほくち)や種火の移動などなどで重宝したであろうことが想像できる。ヨーロッパの氷河で発見された約5000年前のミイラ「アイスマン」の所持品にも入っていたというから驚きである。我が国でも地方名で「ホクチタケ」と呼ばれるキノコがあるが、こちらはより一般的なシロカイメンタケやマスタケを指す場合が多いようである。

ついでに書くと、我が国のほくちは、ガマの穂やホクチアザミ、オヤマボクチなどがよく使われ、ほくちに利用できる植物などが生活に密着し、重要であったことが分かる。


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