ニガナの仲間たち

執筆 菅村定昌   掲載 2018年05月25日 21時47分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ニガナの仲間たち キク科


ニガナ コウノトリの郷公園

 2018年度からコウノトリ文化館では、第4日曜日に植物観察会をしています。毎回、小さな図鑑を作って参加者の方々に使っていただいています。
 5月の図鑑に載せるために園内を見て回るとニガナがありました。確か、よく似たハナニガナという種類があったなと思い出して探してみるとすぐに見つかりました。


ニガナ コウノトリの郷公園

 ニガナとハナニガナは大きくくくるとニガナという同じ種類の植物になります。
 細かく分けるとハナニガナとニガナに亜種というレベルで分けられます。
 ハナニガナは花の色でまた分けることもあり、これは品種レベルで黄花はオオバナニガナと呼び、白花はシロバナニガナと呼ばれます。白いニガナもあって、これはシロニガナと呼ばれます。というようなややこしいことが一番新しい平凡社の図鑑に書かれています。図鑑にはたくさんの種類が載っているので記述は簡潔です。分かるようで分かりませんね。


ハナニガナ(オオバナニガナ) コウノトリの郷公園

 では、見分け方をお教えしましょう。これは難しくありません。
 花びらの数で判断します。本当は、花びらと見えるものが一つの花(小花と呼ぶ)なのですが、気にせずに花びらとして数えてみてください。

 花びらが、5〜7・・・ニガナ
 花びらが、8〜11・・・ハナニガナ
 ニガナの白花は、シロニガナ
 ハナニガナの白花は、シロバナニガナ


白花はシロバナニガナ 黄花はオオバナニガナ 長野県白馬村 兵庫県にはシロバナニガナは分布しない。


シロニガナ 養父市

 花がないときには、茎についている葉を見て考えます。判断に迷うときもありますが、傾向として
 葉が細い・・・・・ニガナ
 葉が幅広い・・・・ハナニガナ


ニガナ コウノトリの郷公園


オオバナニガナ コウノトリの郷公園

 なんか頼りないですが、花の咲く前なら花を見て確かめる楽しみがあります。花が終わった後なら1年後が楽しみです。

 観察会では、こんなお話をしながらのんびりゆったりと郷公園の内外を歩きます。よかったらおいでください。

ヤブサメ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年05月18日 14時45分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

ウグイス科の渡り鳥で、但馬には繁殖のために4月になると南の越冬地から戻ってきます。ウグイス科の鳥はどれも地味な色で薮の中に潜み、姿を見る機会の少ない小鳥です。本家のウグイスも、「ホーホケキョ」の鳴き声はすぐに分かっても、どんな姿をしているか知っている人は少ないでしょう。花札の「梅に鶯」のウグイス色の鳥? 残念でした。梅の蜜を吸いに来るウグイス色の鳥はメジロです。

ウグイスはこの写真に似た鳥ですが、今回紹介しているのはヤブサメという同じ仲間の鳥です。ウグイスは一年中日本にいますが、ヤブサメは渡り鳥です。ウグイス同様、ヤブサメを確認する最も確実な方法は鳴き声を聞くことです。


「シシシシシ」と同じ音の連続音を繰り返します。この「シシシシシ」の周波数は8kHzから10kHzと非常に高く、加齢とともに落ちてくる聴力では聞き取れない高齢者も多いのは、仕方のないことではあります。

姿の特徴は2つあります。
(1)尾羽が短い
(2)眉斑が太く明瞭

近くで鳴き声が聞こえたら、静かにじっと動かずしばらく待っていると、藪の中からひょっこり飛び出してくるヤブサメに出会えるかもしれません。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ツノホコリ

執筆 稲葉一明   掲載 2018年05月05日 19時22分   カテゴリ たじまのしぜん » そのほか

本文を開く
本文を閉じる
 ツノホコリ Ceratiomyxa fruticulosa
 原生粘菌綱?、 ツノホコリ目、ツノホコリ科、ツノホコリ属
 



 ツノホコリ。粘菌に興味を持って山を歩くようになると、真っ白なツノホコリの仲間に目が留まるようになった。
 倒木に花が咲いたように、真っ白なよく見るとサンゴのような美しさ。やや透明感があり粉を噴いたような、きんつばの皮を思い出す。そうだ、線香花火の感じでもある。子実体の長さは数ミリで1僂頬たない、途中で1、2枝分かれするものが多い。春から秋に発生。広義の粘菌類で最も出会いやすいベスト3に入るようだ。

「広義の粘菌類」などと書いたが、実は、ツノホコリは広い意味で粘菌の仲間と言って良いが、正確にはかなり違う生き物である。分類としては非常に難解な生き物。通常は多核のアメーバ状で生活しているが、胞子を作るときに子実体を形成する。それが写真のもの。この辺りは粘菌(変形菌)類と同じなのだが、子実体の構造が大幅に違っていて、胞子を内包せずに外生胞子を作る。

 むしろ、もっと微小な原生粘菌類の仲間ではないか、あるいは、生活環のどの段階でも細胞の構造を失わない細胞性粘菌という生物の仲間ではないかなどと、粘菌の仲間と思われていたものが細胞性粘菌あるいは原生粘菌として扱われるようになり、現在は原生粘菌の仲間とされるのが有力のようだ。

 原生粘菌の仲間は非常に小さいものばかりであるが、ツノホコリは目視できるほど大きい。分類体系上の扱いとしては、ウィキペディアによると、原生粘菌の仲間を独立した門とする説、これにツノホコリを追加する説、変形菌(粘菌)門に含めツノホコリと共に原生粘菌綱を立てる説、単にツノホコリ目に含める説があるようだ。少なくともツノホコリを原生粘菌の仲間として一緒にすることが多くなっているようだが、正直言って私にはよくわからない。

 くどくどと、我々にはどうでもよいことを書いたが、粘菌(変形菌)に興味を持つと、山で目に付くそれらしい生き物(ツノホコリ類)が、実は粘菌ではないという奥深さというか、生物の広さというか、分類でいう門のレベルで違うのかよ!というような不思議な生き物。


 ツノホコリは亜種や形態変異が多いようだが、今回の写真のものは基本形といえると思う。枝分かれしないもの、玉状になるもの、黄色いものとして近縁種もたくさんあるようで、黄色いものはまだ見たことがない。

ヒキガエルの卵塊〜オタマジャクシ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年04月30日 10時24分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ニホンヒキガエル(アズマヒキガエル)        
無尾目 ヒキガエル科



 3月、豊岡市内のとある山際の湿地で、ヒキガエルの卵塊を見つけました。主に山地に棲んでいるカエルで、春先に産卵します。早春に山歩きをされた人は、山中の湿地などで見たことがあるかもしれません。ヒキガエルは俗称「ガマ」とか「ガマガエル」とも呼ばれています。種名としてはニホンヒキガエルですが、但馬地方に分布しているのは亜種アズマヒキガエルとされています。鼓膜の大きさに違いがあるようです。
卵塊はこのように長いチューブ状です。これがヒキガエルの特徴でもあります。3月12日に撮影しました。



 この画像と、以下3枚は3月23日に撮影しました。ふ化してオタマジャクシになったばかりです。


 水中を覗いてみます。おびただしい数の黒い物体。これ全てオタマジャクシです。


 この頃はあまり動きません。


 接写しました。まだオタマジャクシらしい形にはなっていません。この段階では外鰓(エラ)があるのがわかります。







 この3枚は4月20日に撮影しました。2〜3センチほどの大きさになっていました。盛んに泳ぎ回っています。
 今回は卵塊だけでしたが、できれば来年は産卵中の様子も撮影してみたいところです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤマネコノメソウ

執筆 菅村定昌   掲載 2018年04月23日 21時17分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
ヤマネコノメソウ ユキノシタ科




 ちょっと日当たりの悪い湿ったところに生えている弱々しい植物です。背丈は高くても20cmほどの小さな植物です。かたまって生えることもしばしばあります。丈が低いので我が家の畑では、スギナに囲まれて、4月中旬には隠れて見えなくなりました。





 花は3月の中頃から咲き始めます。花はすぐに終わって種子が見えるようになります。
 花は小さくて目立ちません。よく見ると中におしべが見えるので花なんだなと納得できますが、花びらはなく、がくは淡い黄緑色をしています。花の下の葉が黄色を帯びてがくと同じような色になって目立ち、花のようにも見えます。



 種子が熟す頃には印象的な姿になります。果実が裂けて、種子が見えるようになりますが、その姿が「猫の目」に似ているということでネコノメソウという名前になっています。ネコノメソウの仲間はたくさんありますが、ヤマネコノメソウはネコノメソウに非常によく似ています。


これは、ネコノメソウ

 よく似ているヤマネコノメソウとネコノメソウですが、葉の付き方で簡単に区別できます。ネコノメソウは葉が同じ場所から対になって出る対生、ヤマネコノメソウは互い違いに出る互生です。同じような場所に生えますが、ヤマネコノメソウはより乾燥した場所にも生えます。



ノビタキ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年04月14日 15時14分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

過去にもここに何度か登場した野鳥ですが、この時期の鳥の話題に欠かせないのがノビタキです。スズメより小さいヒタキ科の鳥で、中国の南東海岸沿いで越冬した群れが、いま一斉に北の繁殖地めざして移動中です。

シベリアや、日本では中部以北、特に北海道が繁殖地としてよく知られています。但馬地域ではノビタキが繁殖地と越冬地の間を行き来する途中、一時的に観察できる「旅鳥」と呼ばれる渡り鳥グループです。但馬では4月と10月に2週間ほど見られます。


春の渡りで見るノビタキのオスは、この写真のとおり黒頭巾の羽根模様です。繁殖期はこのような目立つ羽根に代わってメスを呼びます。繁殖を終えた秋の渡りでは、オスはメスとほとんど同じ羽根模様になっています。

田んぼの水路沿いでよく見かけ、羽虫や毛虫などを食べて栄養補給し、次の中継地へ飛び去ります。


1羽のノビタキの右脚に、アルミ製の標識リングが付いているのを見つけました。小さなリングには、標識調査をした場所や時期の情報が刻印されています。今回の観察では、リングの刻印が明瞭に判別できる距離まで鳥が近寄ってくれませんでした。写真を拡大してみると、どうやら韓国の国名が刻印されているようでした。日本で鳥類の標識調査を実施している山階鳥類研究所に今回の写真を添えて問い合わせ中です。

韓国でリングが付けられたのが昨年の秋だとして、このノビタキが中国の越冬地で過ごしたあと、日本列島を北に向かって旅を続けているのでしょう。小さなリングは鳥の移動経路を教えてくれると共に、彼らの旅物語を私たちに語ってくれます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信



ススホコリ

執筆 稲葉一明   掲載 2018年04月07日 11時13分   カテゴリ たじまのしぜん » そのほか

本文を開く
本文を閉じる
ススホコリ Fuligo septica
変形菌綱, モジホコリ目, モジホコリ科 ススホコリ属
 



 変形菌。ススホコリ。
動物でも植物でも菌類でもない変形菌(粘菌)の仲間。主に朽ち木の中などで微生物等を食し生活していているが、繁殖のために胞子を飛ばしやすい場所へ這い出てきて、子実体を形成する。その時に我々は彼らを目にすることが容易になり観察するチャンスとなる。移動中の変形体や子実体は、木の幹や、石の上、切り株の上などで見かけることが多い。
ススホコリの子実体は黄色くて、卵焼きや汚物を連想させる不整形な塊り。変形菌の子実体は小さいが形が特徴的で美しいものも多いが、こいつは全然違うイメージである。

子実体の周りには変形体が這ってきた痕が付着している。





日本変形菌類図鑑の説明では、子実体は着合子嚢体型または屈曲子嚢体の累積した型,高さ約3cm,長さ約10cmまで,ときにずっと大きくなる。皮層は黄色でときに欠けるとのこと。
変種としてキフシススホコリFuligo septica var. flavaというものがある。図鑑やネットではこちらもよく紹介されている。昨年ススホコリらしきものに3回ほどであったが、当初はキフシススホコリかと考えていた。ススホコリとキフシススホコリとの違いは、子実体の内部にある細毛体の一部で粒状の石灰を含んだ部分である「石灰節が黄色いもの」をキフシと区別するとのことなので、写真の個体が変種のキフシかどうかはよくわからない。ここでは基本種のススホコリとした。

甲虫類がかじりに来ているのだろう。





北アメリカで,ススホコリが大発生し、黄色い変なものが微妙に動いているようで電信柱を登っているなど未知の生物ではないかと大騒ぎになったとか、南米ではこれを食する地域があるとか、話題性の大きい種である。食べてみようとは思わない。



 クワガタを飼育していたら、腐葉土からススホコリの変形体が出てくることがわりとあるようだ。言い換えると、ススホコリは飼育も可能ということ。野外で変形体を捕獲して家で飼育すると楽しいらしい。環境が合わず飼育に失敗すると、ススホコリは単に死んでしまうのではなく、子実体を形成して胞子を飛ばし、その世代を終了させる。


飼育に失敗しても子実体形成が観察できるし、死んでしまって可哀そうということにもならないので良いペットかもしれない。粘菌類を飼育する愛好家が世の中にはいらっしゃるようであるが、私も機会があればチャレンジしてみたい。餌はオートミールとか。

5年ぶりのニホンイトヨ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年03月31日 17時25分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる

ニホンイトヨ  トゲウオ目 トゲウオ科

 新聞でご覧になった方もあるかと思いますが、今月26日、豊岡市城崎町の「ハチゴロウの戸島湿地」で、ニホンイトヨという魚の生息が確認できました。円山川水系で確認されるのは5年ぶりです。環境省レッドリストでは「絶滅のおそれのある地域個体群:LP」、兵庫県レッドリストでは、絶滅の危機に瀕しているなど、緊急の保全対策が必要な「Aランク」に指定されています。かつては豊岡盆地でも何か所かで姿を見ることができたようですが、近年激減しています。但馬では円山川水系の他に、新温泉町の岸田川でも生息の記録があります。
 ニホンイトヨは春、海から川へ遡上して産卵します。ふ化した稚魚は海へ下り、翌年成魚となって川に遡上して繁殖します。流れのゆるやかな小川で産卵をします。湧き水のある場所を好むようです。川に堰堤などがあると遡上できないので、繁殖のためには海との連続性のある環境が必要です。かつては「イトヨ日本海型」と呼ばれていました。
 ハチゴロウの戸島湿地の管理運営をされているNPOコウノトリ湿地ネットさんが、数年前からこの時期に調査をされています。私も調査に加わっていまして、今年ようやく姿を見ることができました。




背びれには棘があります。トゲウオ科魚類の特徴でもあります。


地方によっては、「トゲサバ」と呼ぶそうです。胴体後部を見ると、細い尾の付け根や銀色の体色がサバに似ています



 早く手を打たなければ、ニホンイトヨは但馬からは絶滅してしまうかもしれません。それを防ぐためには、湧き水のある小川と、海の間を魚が自由に行き来できる環境を取り戻すなどの取り組みが必要です。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

タガラシ 

執筆 菅村定昌   掲載 2018年03月23日 21時41分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

本文を開く
本文を閉じる
タガラシ キンポウゲ科



 今回は、予習のために載せます。しっかりとお勉強して春の植物観察に備えましょう。
 四月も中頃になるとじめじめした田んぼの中に、なんだかみずみずしい茎に黄色の小さな花をつける植物が目立ってきます。これがタガラシです。乾いた田んぼはダメです。あちこちに水たまりのある田んぼ、水浸しの田んぼが好きなようです。水のある水路や溝でも結構見かけます。



 茎や葉はつやつやして柔らかそうです。60cmくらいに大きく育ったのも、10cmくらいの小さなのもあります。大きくても小さくても時期になれば花を咲かせます。花は小さなかわいらしい花です。花びらはピカピカと光沢を持っています。この光沢は、この仲間、キンポウゲの仲間によくある性質です。



 柔らかそうでおいしそうにも見える個体もあります。でも決して食べてはいけません。毒草なのです。タガラシだから「田んぼの芥子(カラシ)」とは思ってはいけません。確かに田んぼのカラシから来た名前という説はあります。毒なので辛いのかもしれませんが、試さないで下さい。名前にはもう一つ説があります。「田んぼを枯らす」のでタガラシという説です。何にも育たないようなやせた田んぼに生えるというような意味なのでしょう。昔の人が食べたとも思えませんし、割と養分のある中栄養〜富栄養な田んぼに生えるので収量が極端に落ちるとも思えません。どちらの説もそんな気もしますし、そうじゃない気もします。植物の名前にはよくある話です。



 似たような名前の植物はいろいろあります。代表的な例だと「芥子」だとカラシナ、イヌガラシ、トウガラシ、「枯らし」だとヤブガラシですね。

 最後によく似た植物です。乾いたところには、ウマノアシガタがよく生えています。花びらがずっと大きいです。同じく乾いたところにトゲミノキンポウゲ生えています。地面をはうように生えています。実の形も違いますね。


ウマノアシガタ 花びらの長さ 8〜11mm


トゲミノキンポウゲ 花びらの長さ 長さ6.5〜8mm


タガラシ 花びらの長さ 3.5〜4mm


マガンとヒシクイ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2018年03月16日 13時14分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

本文を開く
本文を閉じる


今冬豊岡盆地で越冬した3羽のコハクチョウに加え、2月の大雪の頃にはマガンとヒシクイが豊岡盆地に飛来しました。積雪量が特に多かった福井県北部から石川県の越冬群のうち、一時避難のため南下してきたグループと思われました。

マガンは34羽が、ヒシクイは4羽が1週間ほど滞在したあと豊岡を離れました。


豊岡盆地に飛来するマガンは、コハクチョウと共にごく少数が越冬するくらいで、多くは渡りの期の一時立ち寄り時の観察です。渡りグループは数羽から10数羽の家族単位の集まりで、今回のように34羽という大きな群れを観察することはまれです。

大きな群れが上空を飛ぶ様子はまさに「鉤になり竿になり」で、形を変えながら編隊飛行を続ける様子はダイナミックで美しいものでした。


飛来した4羽のヒシクイのうち3羽は亜種オオヒシクイで、1羽が亜種ヒシクイでした。オオヒシクイの方が少し大きく、このあたりでは亜種ヒシクイの方が希少です。


ヒシクイの観察はいつもそうですが、マガンやコハクチョウに比べて警戒心がつよく、近づこうと離れた場所から少し動いただけでも飛び立ってしまいます。この写真も警戒されて飛び立ったところですが、左から2番目の個体が残りの3羽より小さく、亜種ヒシクイだと識別することができます。

生まれ故郷のシベリアから北極海沿岸にかけて、彼らは長い帰り旅を続けます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信




一番上へ
サイドナビ
サイトマップ