アオサギ:水上で巣作り

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執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2011年07月09日 19時00分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

アオサギはどこに巣をかけるか、御存知の方も多いでしょう。たいていの場合、河畔のケヤキ林などに集団で巣を作ります。コロニーと呼ばれる集団営巣地があちこちで見られ、シラサギも一緒に同じ場所で営巣するので繁殖期には実に賑やかです。

人家近くの林に営巣することもよくあり、サギの騒音や糞に住民から苦情が出ます。状況が酷い場合は人為的にサギの営巣を妨害することもあります。


円山川河口のヨシ原湿地で水鳥観察をしているうちに、アオサギがこの湿地でコロニーを作っていることに気づきました。この写真は2月27日の様子です。いくつかの浮島に場所をそれぞれの確保したアオサギのペアは、オス・メスが協力して巣材を運んでいました。

一番最初にできた巣に注目し、このアオサギペアの繁殖の過程を記録することにしました。アオサギがこのような場所に巣を造るのは、実はとても珍しいことなのです。


3月27日
産卵個数までは分かりませんが、座って温めていた体勢から立ち上がり、くちばしで卵を転がします。転卵といい、正常な孵化のために親鳥が行う行動です。ちらっと見えた卵の殻は、青みを帯びた色をしていました。


4月9日
オス・メス交替で抱卵が続きます。ときどき新しい巣材が持ち込まれ、くちばしを使って上手に編みこんでゆきます。


4月10日
2羽のヒナが産まれてました。親鳥は餌を運び、吐き戻してヒナたちに与えています。コウノトリの子育ての映像で見られる餌の与え方とまったく同じです。


4月24日
孵ったヒナは全部で3羽でした。ヒナは「カカカカ…」とカエルのような鳴き声を出してコミュニケーションします。親鳥が餌を運んでくると、我先に親鳥のくちばしをつついて餌をねだります。


5月2日
産まれてから3週間ちょっと経ったヒナは、もうこんなに大きく育っていました。ヨシの葉が伸びて、巣を覆い隠そうとしています。


5月21日
産まれてから40日ほどのヒナは、もうすっかり大人の大きさにまで成長しています。右に立っているのが親鳥です。巣はヨシに埋もれてまったく分からなくなりました。


6月11日
産まれて2ヶ月、ヒナはすでに巣立っていました。巣から遠く離れることはありませんが、自分の力で飛ぶことが出来ます。巣のまわりは湿地ですから、餌に困ることはありません。自分で餌採りを覚え、一人前になってゆきます。

最初に書いたように、アオサギがこのような低い場所、ここではほとんど海抜ゼロメートルの場所に巣を掛けるは珍しいことです。高い場所に巣を掛けるのは、外敵にやられるリスクを回避することが第一です。ケヤキ林の樹冠は、集団で営巣するのに物理的にも適しているといえます。巣材を設置するのに適当な空間があります。

一方で、このヨシ原湿地での営巣例でみる通り、安全性と空間性が確保されていれば、餌場の中に立地する営巣地はより繁殖に効率的といえるでしょう。人家が迫った湿地は天敵の哺乳類の侵入も抑えられているのかも知れません。ここが安全な繁殖地と学習したアオサギたちは、何らかの大きな環境上のかく乱が起きるまでは、この場所で繁殖を続けてゆくことでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信


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